PCエンジン

PCエンジンについて

PCエンジン（PC Engine）は、1987年にハドソンとNEC（日本電気ホームエレクトロニクス）により共同開発された家庭用ゲーム機で、1987年10月30日に発売されました。価格は24,800円で、HE-SYSTEM規格に基づいています。このハードウェアは、日本のゲーム市場で高性能を求める声が高まる中で生まれました。特に、任天堂のファミリーコンピュータが登場して数年が経った時期に、競争力のある性能を持つ新しいハードウェアが必要とされていました。そのため、ハドソンとNECの協力によって開発が進められました。

PCエンジンは、特に北米市場ではTurboGrafx-16（ターボグラフィックス16）として知られ、NECの現地法人から販売されました。発売当初はファミリーコンピュータやセガ・マークIIIと争い、後にスーパーファミコンやメガドライブとも競うことになります。最終的に世界累計販売台数は1,000万台に達し、その人気は高いものでしたが、トップシェアを獲得することはありませんでした。

日本国内の展開

1987年、NECアベニューが設立され、ゲームソフトの開発と販売を担うことになります。同年、ハドソンも初期のソフトラインナップを強化しました。この時期、ファミリーコンピュータ市場が飽和状態に陥る中で、ナムコ（現：バンダイナムコエンターテインメント）などがPCエンジンに参入しました。これにより、多くのサードパーティーが参加し、アーケードゲームの移植が行われるなど、豊富なゲーム選択肢が提供されました。

1988年には、CD-ROM2が発売されると、その後の1989年から早速有名タイトルが登場し、PCエンジンの普及が加速します。また、いくつかの新しいハード系列が登場し、ファミコンでは実現できなかったような性能向上が図られました。

特に1991年に登場したコアグラフィックスIIは、経済的な価格設定により新たな消費者を惹きつけました。しかし、PCエンジンの最大の革新はCD-ROMを利用したゲーム機であり、CD-ROM2の登場により、さまざまなジャンルのソフトウェアが流通するようになりました。

日本国外の展開

北米市場においては、PCエンジンは「TurboGrafx-16」という名称で販売され、1989年に発表されました。発売初日には、いくつかのゲームタイトルがロンチタイトルとして用意され、ゲーム業界における競争が激化しました。残念ながら、そこでは需要に対してソフト供給不足が問題となり、北米でのTurboGrafx-16の売上は期待に応えられなかった部分もありました。

欧州ではフランスを除いて正式な販売は行われず、代わりにほぼ国内モデルが改造されて販売されました。またアジアでは韓国にてリリースされ、ローカライズされたタイトルが登場しました。

ハードウェアの特徴

PCエンジンは、当時の技術を駆使してその性能を引き出しました。「コア構想」に基づき、周辺機器を利用することでさまざまな機能を追加できる設計がされています。このため、本体自体はコンパクトでありながら、ユーザーは必要に応じて専用周辺機器を購入することで、自分だけのゲーム環境を作成可能でした。

また、ハドソンは独自のゲームソフト開発に注力し、数多くの著名なタイトルが登場しました。特に『ボンバーマン』や『天外魔境』シリーズなどが人気を博しました。

影響と評価

PCエンジンは、発売当初から高い評価を受け、特にCD-ROMを採用したことで、その後のゲーム機開発に多大な影響を与えました。また、ゲームジャンルの拡大にも貢献し、多くの新しいスタイルのゲームが誕生するきっかけともなりました。

結果として、PCエンジンは1987年から1995年までに584万台が出荷され、その販売台数は家庭用ゲーム機の中で一定の地位を確保しました。今でもその独自の設計とゲーム性は、多くのファンに愛されています。

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