PFM-1

PFM-1レペルストク：対人地雷の詳細

PFM-1レペルストクは、ソビエト連邦軍が開発した空中散布型の対人地雷です。その独特な形状から「花びら地雷」として知られ、NATOでは「グリーン・パロット」と呼ばれていました。

開発と概要

この地雷は、アメリカ軍のBLU-43を基に1975年に開発されました。アフガニスタン侵攻で使用された際、その形状と色から子供たちが興味を持ち、拾って爆発する事故が多発しました。このため、西側メディアを中心に「悪魔の兵器」とも呼ばれることがあります。

「子供が玩具と間違えるように作った」という説は誤りで、実際には空中散布時の空気抵抗を考慮し、効率的に拡散する形状を追求した結果です。しかし、国連の会議では、その見えにくさと子供が誤って拾う危険性が指摘されています。また、対人地雷全般の問題点として、戦闘員と民間人を区別なく爆発させ、不発弾が復興の妨げになることが挙げられます。

実戦での使用

2022年のロシアによるウクライナ侵攻でも使用が確認され、民間人の負傷者が出ています。ロシア側の報道によると、ウクライナ軍がドネツクでPFM-1を使用し、子供を含む多数が負傷したとされています。一方、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ウクライナ軍がロシア占領下のイジュームで使用した可能性を指摘しています。ウクライナは対人地雷禁止条約を批准していますが、これらの指摘は条約違反の疑いを招いています。さらに、ウクライナ軍ではロシア軍が散布したPFM-1による兵士の負傷が多発し、反攻の妨げになっているとの報道もあります。ウクライナでは不発弾の回収が進められており、国家非常事態庁が注意を呼びかけています。ウクライナには、PFM-1を含む様々な地雷が散乱しており、全て撤去するには数百年かかるとの試算もあります。

構造と機能

PFM-1の本体はポリエチレン樹脂製で、内部には液体爆薬が充填されています。散布にはBM-27多連装ロケット砲やヘリコプター、航空機が使用され、対人地雷弾頭には約300発のPFM-1が搭載されます。特徴的な形状は、空中散布時に安定して効率的に拡散するためのものです。塗装はカーキ色と明るい緑色があり、後者は不発弾や撤去時の視認性を高めるために用いられます。

信管は時限開放式で、散布時に安全ピンが外れてから40分後に作動状態になります。これにより、落下時の衝撃で起爆するのを防ぎます。作動状態になると、5kg以上の圧力が加わると起爆します。この圧力は、踏むだけでなく、拾い上げて投げ捨てた場合にも爆発する可能性があります。

一旦信管が作動状態になると解除はできませんが、改良型のPFM-1Sでは、安全ピンが外れて80時間後に自動的に自爆する機能が追加されています。しかし、実験結果では自爆装置の作動確率は85%にとどまっています。

性能諸元

重量：75g
内容物：VS6-D（またはVS-60D）液体爆薬37g
信管：MVDM/VGM-572
全長：120mm
全幅：20mm
全高：61mm
* 起爆圧力：5-25kg

出典

[関連項目]

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