PINK SAPPHIRE

PINK SAPPHIREの歴史

PINK SAPPHIRE（ピンクサファイア）は、1990年代に活躍した女性4人組の日本のロックバンドである。バンド名の由来は、ドラムの菊野の好きな色のピンクと、9月の誕生石であるサファイアの組み合わせから来ている。彼女たちのキャリアは、1989年に放送された人気深夜番組『三宅裕司のいかすバンド天国』への出場をきっかけに始まった。

番組内ではチャレンジャーとして認知されていたものの、持ち歌の魅力が多くの人々に伝わり、レコード会社からスカウトを受けるチャンスを掴んだ。その結果、1990年7月にはシングル「P.S. I LOVE YOU」でメジャーデビューを果たす。この曲は、フジテレビ系ドラマ『キモチいい恋したい!』の主題歌としても使用され、オリコンチャートで最高2位を獲得、瞬く間に広く知られる存在となった。

メンバーと脱退

バンドの初期メンバーは、ボーカルのKANAKO、ギターのYANMI、ベースの石田、ドラムの菊野で構成されていたが、デビュー前にKANAKOとYANMIがバンドを去った。彼女たちの脱退を受けて、レコード会社はタレント養成所に在籍していた塚田を新ボーカリストとしてスカウトし、再びレコーディング作業が行われた。

1994年には塚田が結婚を理由にバンドを脱退。この時新たに迎え入れたボーカリストのMAYUと共に活動を続けたが、1995年には活動を休止することとなる。MAYU在籍時の楽曲は音源化されなかった。

再会と再結成

長い間の活動休止期間を経て、2012年10月、メンバー全員が再会した。この再会がきっかけとなり、2013年には東京で約20年ぶりのライブが実現。塚田と鈴木が同じステージに立つ様子に、多くのファンが感激を覚えた。その後、2014年には約20年ぶりに再結成し、渋谷のライブで熱狂的なパフォーマンスを披露した。

活動のピークと解散

2015年にデビュー25周年を迎え、再び渋谷にて記念ライブを開催。さらに2017年には『THE MUSIC DAY 願いが叶う夏』に出演するなど、精力的に活動を続けた。しかし、2023年5月にはDANCE HALL 新世紀にてラストライブを行い、バンドとしての活動を終了することとなった。このラストライブでは、元RABBITの林利樹がサポートドラマーとして参加。感慨深い瞬間が多くのファンの心に刻まれた。

同年12月、ギターの鈴木が乳がんで亡くなったとの報告があり、バンドの歴史に大きな影を落とした。誕生してから数十年にわたって多くの音楽ファンに愛され続けた彼女たちの音楽の足跡は、今もなお色あせることなく語り継がれている。

影響と遺産

PINK SAPPHIREは、同時期に流行したガールズバンドブームの中でも、独自のスタイルで多くのファンを魅了した。特に、「P.S. I LOVE YOU」などの名曲は、今でも多くの音楽ファンの心に残っている。彼女たちの活躍は、後の世代の女性アーティストたちにも大きな影響を与えた。

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