PP -ピアニッシモ- 操リ人形ノ輪舞

『PP-ピアニッシモ-〈操リ人形ノ輪舞〉』：昭和11年の暗黒街を舞台にした恋愛アドベンチャー

2006年9月29日、Innocent Greyより発売された18禁恋愛アドベンチャーゲーム『PP-ピアニッシモ-〈操リ人形ノ輪舞〉』は、昭和11年（1936年）、二・二六事件後の軍国主義が色濃く漂う日本を舞台に、主人公・玖藤奏介の逃亡劇と、その背後に潜む陰謀を描いています。

主人公の奏介は、東京のジャズバー「CADENZA」で用心棒兼ピアニストとして働いています。ある夜、狂気に満ちた芸妓に襲われた奏介は、翌朝、その芸妓が惨殺された状態で発見され、殺人容疑で指名手配されてしまいます。仕事を失い、追われる身となった奏介は、家出少女・白河綾音と出会い、共に事件の真相解明に乗り出します。

複雑に絡み合う人間関係と、時代背景

物語は、奏介を取り巻く様々な人物たちの視点を通して展開していきます。奏介の唯一の肉親である妹・柚芭、幼馴染みで家族同然の橘美華夏、奏介を支えるジャズシンガーの相棒・韮崎璃宝、そして謎めいた少女・御巫久遠など、それぞれが個性的なキャラクターとして描かれています。さらに、奏介を追い詰める謎の組織「清鳳会」の女性・相馬葵や、奏介と因縁のある刑事・菱谷琢磨など、敵対する勢力も物語に厚みを加えています。

昭和初期の日本社会は、軍国主義の高まりや貧富の差、社会不安など、混沌とした状況にありました。本作は、そのような時代背景を巧みに織り交ぜながら、登場人物たちの葛藤や苦悩、そして人間愛を描いています。奏介の無実を信じ、彼を支える者たち、そして彼を追い詰める者たちそれぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語はスリリングな展開を見せます。

音楽とビジュアル

ゲームの音楽も大きな魅力の一つです。オープニングテーマ「蝶」、挿入歌「all the way」、エンディングテーマ「distance」など、印象的な楽曲が物語の世界観をさらに深めています。また、ビジュアル面でも、昭和初期の日本をリアルに表現した背景や、キャラクターたちの繊細な描写が、プレイヤーを物語の世界へと引き込みます。

2007年には、本作のビジュアルファンブック『PP ピアニッシモ -操リ人形ノ輪舞- ビジュアル・ガイドブック』も発売され、ゲームの世界観をさらに深く楽しむことができます。

主要登場人物

玖藤 奏介 (くどう そうすけ): 主人公。ジャズバーで働く用心棒兼ピアニスト。
白河 綾音 (しらかわ あやね): 奏介が出会った家出少女。奏介を信頼し、事件の調査に協力する。
橘 美華夏 (たちばな みかげ): 奏介の幼馴染み。奏介の無実を証明しようと奔走する。
玖藤 柚芭 (くどう ゆずは): 奏介の妹。兄を助けたいと願うが、力不足に悩む。
韮崎 璃宝 (にらさき りほう): 奏介の相棒であるジャズシンガー。
御巫 久遠 (みかなぎ くおん): 謎の少女。正体不明。
相馬 葵 (そうま あおい): 謎の組織「清鳳会」で働く女性。サディスティックな性格。
高梨 千花 (たかなし ちか): ジャズバーで働く女給。辛い過去を持つ。

『PP-ピアニッシモ-〈操リ人形ノ輪舞〉』は、時代劇的な背景と、複雑な人間模様、そしてスリリングな展開が魅力の恋愛アドベンチャーゲームです。昭和初期の日本を舞台に、主人公の運命、そして彼を取り巻く人々の物語を体験することができます。

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