PRETENDER (久石譲のアルバム)

久石譲の5thアルバム『PRETENDER』は、1989年9月21日にNECアベニュー / IXIAからリリースされました。キャッチコピーは「新たなる時代（とき）を求めて……」。

背景

本作は、1985年のアルバム『α-BET-CITY』以来、約4年ぶりとなるニューヨークレコーディングが行われたアルバムです。久石譲が自身の音楽性を深く掘り下げ、新たな表現を追求した意欲作として位置づけられます。

批評

CDジャーナルは、『PRETENDER』を「クラシックで培ってきたテクニックを最新のテクノロジー楽器を媒介にして開花させた」と評価。さらに、「鋭敏なエレクトリック・サウンドと生の声のミックスが上手く合っている」と、そのサウンドプロダクションを肯定的に評しています。

収録曲

1. MEET ME TONIGHT
ビートルズエイジを彷彿とさせるメロディラインが特徴的な楽曲。
2. TRUE SOMEBODY
ブリティッシュロックの影響を受けつつ、モータウンのリズムを取り入れた楽曲。
3. WONDER CITY
1982年にワンダーシティ・オーケストラ名義で発表された楽曲のセルフカバー。歌詞を大幅に変更し、新たな解釈が加えられています。
4. HOLLY'S ISLAND
東洋的なメロディとラテン音楽の融合を試みた楽曲。タイトルは、参加ドラマーであるスティーヴ・ホリーと「Holly Night（聖なる夜）」に由来。
5. MARIA
元々シングル用に制作された楽曲で、久石譲自身がバラード路線を意識したと語っています。
6. MIDNIGHT CRUISING
クールなハードボイルドの世界観を表現した楽曲。
7. ALL DAY PRETENDER
アルバムのタイトル曲。久石譲は自身の原点的な楽曲であると述べています。
8. MANHATTAN STORY
9. VIEW OF SILENCE
ニューヨーク・フィルハーモニックとの共演が実現した楽曲。壮大なスケール感が特徴です。

参加ミュージシャン

アルバムには、スティーヴ・ホリーなど、国内外の著名なミュージシャンが参加し、楽曲に深みを与えています。

『PRETENDER』は、久石譲の音楽的探求心と多様な表現力が結実した作品であり、彼のキャリアの中でも重要な位置を占めるアルバムと言えるでしょう。

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