PRISM (監視プログラム)

PRISM（プリズム）とは

PRISMとは、アメリカ国家安全保障局（NSA）が2007年から運用している、機密性の高い監視プログラムです。このプログラムは、主にインターネットを通じて広範なデータ収集を行うことを目的としています。正式名称は「US-984XN」で、プリズムという名称はその特性に由来しています。

監視の範囲

このプログラムは、Microsoftの「So.cl」、Google、Yahoo!、Facebook、Apple、AOL、Skype、YouTube、Paltalkの計9つの主要ウェブサービスを監視対象としています。これにより、ユーザーの電子メール、文書、写真、利用履歴、通話情報といった多種多様なメタデータが収集されます。さらに、Dropboxが新たに監視対象に加わることも計画されていました。

スノーデンの告発

2013年6月6日、 NSAの元職員であるエドワード・スノーデンが内部告発を行い、その内容が『ガーディアン』や『ワシントン・ポスト』で報じられました。これによりPRISMの存在が広く知られるようになり、アメリカ政府自体もこのプログラムについて認めざるを得ない状況に追い込まれました。

報道された内容に対して、名指しされたIT企業は一様に関与を否定しましたが、後の調査でNSA用のバックドアが存在することを認める企業も現れました。オバマ政権の関係者は、PRISMがアメリカ国民をターゲットにしているわけではないと説明しようとしました。

国際的な影響

スノーデンが公開した情報により、日本、ブラジル、フランス、ドイツなどの国の首相が電話監視の対象になっていたことも報じられました。特にドイツでは、ある情報局員がアメリカに対して国会の情報を売ったとして逮捕される事件が起こりました。また、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領は、国連での演説において「プライバシーの権利がなければ、真の言論の自由も存在せず、民主主義も不可能だ」と述べています。

プログラムの歴史

PRISMの歴史は次のように進展しました。2007年9月にはMicrosoftがプログラムに参加し、次いで2008年にはYahoo!、2009年にはGoogleやFacebook、Paltalkが加わりました。2010年にはYouTube、2011年にはSkypeやAOL、2012年にはAppleが参加し、最終的に2013年のスノーデンの告発によってその全貌が暴露されることになりました。

終わりに

PRISMは、現代の情報社会におけるプライバシーの権利についての重要な議論を引き起こしました。監視の必要性と個人の権利とのバランスをどのように取るのか、今後も注目が集まります。

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