PROM

PROM（プログラマブルROM）とは

PROM（Programmable ROM）は、コンピュータシステムで使用されるROMの一種で、通常はデータの読み出しのみが可能ですが、特定の手順を踏むことでデータの書き込みもできるメモリです。一度書き込まれたデータは、基本的に変更や消去ができないタイプのものが多く、その特性から、ソフトウェアやファームウェアを組み込む用途で利用されてきました。

PROMの種類

PROMは、書き込み方法や消去の可否によっていくつかの種類に分類されます。

OTP ROM（One Time Programmable ROM）
一度だけ書き込みが可能で、消去はできません。ヒューズROM（配線を焼き切るタイプやPN接合を破壊するタイプ）や、アンチヒューズ型（MOS絶縁膜を破壊するタイプ）、消去窓のないUV-EPROMなどがこのタイプに含まれます。
EPROM（Erasable Programmable ROM）
高電圧を印加することでデータの書き込みが可能で、紫外線を照射することでデータを消去できます。データの書き換えが可能なため、開発用途に用いられてきました。
EEPROM（Electrically Erasable Programmable ROM）
電気的な操作でデータの書き込みと消去が可能です。フラッシュメモリ（フラッシュ型EEPROM）もEEPROMの一種です。

OTP ROMは、一度書き込むと消去ができないROM全般を指すことがあります。特に、EPROMを含めずにPROMと呼ぶ場合は、OTP ROMを指していることが多いです。

PROMへの書き込み

PROMへのデータの書き込みには、ROMライタと呼ばれる専用の装置を使用します。ROMライタは、高電圧を印加することでPROMにデータを書き込みます。

ヒューズROMは、データに対応するビットごとにヒューズの導通状態によって0または1を表します。ヒューズが焼き切られていない状態が1、焼き切られた状態が0となるのが一般的です。

消去窓のないUV-EPROMは、紫外線を照射してデータを消去する事ができない以外は、UV-EPROMと同じ動作をします。データの記録は、フローティングゲートに電荷を貯めることで行われ、電荷の有無によって0または1を表します。

OTPROMは、マスクROMと比較して、データの内容に合わせてフォトマスクを製造する必要がないため、開発期間を短縮でき、コストを削減できます。そのため、少量多品種の用途に適しています。

代表的なOTPROM製品

OTPROMは、単体のROMチップや、他の回路と一緒にワンチップに集積された形で利用されます。

単体のROM
ヒューズROM（23xxxシリーズなど）
消去窓無しUV-EPROM（27Cxxxシリーズなど）
集積回路
マイクロコントローラ
プログラマブルロジックデバイス（PAL、GAL、アンチヒューズ型のCPLD、FPGAなど）

現在のPROM

2010年現在では、多くの用途でフラッシュメモリが使われるようになったため、OTPROMが用いられる場面は少なくなっています。

かつては、プログラム開発時には消去窓付きのUV-EPROMを使い、データの書き換えを繰り返していました。そして、量産時には、より安価な消去窓なしUV-EPROM（OTPROM）を利用して、製品の単価を下げていました。大量生産が必要な場合は、さらに単価の安いマスクROMが用いられることもありました。

一部のマイクロコントローラでは、開発用として消去窓付きのパッケージにチップを収めたものが提供され、データの書き換えを可能にしています。一方、量産用には、消去窓のない安価なプラスチックパッケージに同じチップを収めたものが提供され、パッケージコストを削減しています。

関連事項

EPROM
Write Once Read Many(WORM)

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