PSAインターナショナル

PSAインターナショナル（PSA International Pte Ltd）は、世界を舞台に港湾運営を展開するリーディングカンパニーの一つです。シンガポールに本社を構え、そのスローガンである「The World's Port of Call」が示すように、世界中の港を結ぶ重要な役割を担っています。

歴史

PSAインターナショナルの歴史は、1863年にまで遡ります。当時、中国人実業家であったタン・キム・チン（Tan Kim Ching）が、タンジョン・パガー・ドックカンパニー（Tanjong Pagar Dock Co.）を設立しました。これが、後のシンガポール港湾庁（Port of Singapore Authority：PSA）の前身となります。当初は2隻の蒸気船（サイアムとシンガポール）を保有し、港湾事業を開始しました。

その後、1964年にはシンガポールの法定機関としてシンガポール港湾庁（PSA）が設立されました。PSAは、シンガポール港の整備、維持、管理、船舶の運行管理など、港湾運営に関する幅広い業務を担ってきました。シンガポール経済の発展を支える重要なインフラとして、長年にわたり貢献してきました。

1997年、港湾業務の効率化と国際競争力の強化を目指し、PSAは政府全額出資のPSAコーポレーションとして民営化されました。この際、海事、港湾業務の監督機能は、新たに設立された海事港湾庁（Maritime and Port Authority）に移管されました。これにより、PSAコーポレーションはより効率的な港湾運営に専念することとなりました。

2003年12月には、組織再編が行われました。政府出資の投資会社であるテマセク・ホールディングス（Temasek Holdings）が全額出資するPSAインターナショナルが持ち株会社として設立され、PSAコーポレーションはその子会社となりました。この組織再編により、PSAインターナショナルは、グローバルな港湾事業を統括する体制を整えました。

グローバル化

PSAインターナショナルは、シンガポールを拠点としながらも、世界各地にその事業を展開しています。2011年の時点では、アジア、ヨーロッパ、アメリカの17カ国、29の港を運営していました。そのネットワークは、今日までさらに拡大を続けています。

PSAインターナショナルは、港湾運営のリーディングカンパニーとして、効率的かつ高品質なサービスを提供し、世界経済の発展に貢献しています。技術革新への取り組みも積極的に行っており、より安全で持続可能な港湾運営を目指しています。また、世界各地の港湾オペレーターとの連携も強化しており、グローバルな視点での事業展開を加速させています。

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