PW-9 (航空機)

ボーイング PW-9

ボーイングPW-9は、1920年代に登場したアメリカの開放コックピット式複葉戦闘機です。この機体はボーイング社によって開発され、社内では「モデル15」と呼ばれました。アメリカ陸軍航空隊ではPW-9として採用され、海軍では艦上戦闘機としてFBと命名されたため、軍用機としての多様な利用がなされました。

設計と開発

PW-9はフォッカーD.VIIの設計を基にしています。第一次世界大戦の終結後、アメリカには142機のD.VIIが送られ、その性能が評価されました。1923年に登場したPW-9は、陸軍航空隊のトマス＝モースMB-3Aの後継として、カーチスモデル33と競争する機体として製作されました。初めての飛行は1923年6月2日で、胴体は鋼管を用い、特異な片持ち式の複葉翼は木製のフレームによって支えられていました。370馬力のカーチスD-12エンジンが搭載され、ラジエーターはエンジン下部に配置されていました。最終的にはカーチス機がPW-8に採用され、PW-9はより多くの機体が発注されました。特に整備のしやすさが評価され、113機が陸軍へ納入されました。また、海軍向けには「FB」と名付けられたバリエーションが42機生産されました。

運用歴

PW-9の最初の納入は1925年10月に始まりました。ボーイングは1925年から1931年の間に計113機を陸軍航空隊に供給しましたが、これらは主に海外部隊で運用されました。ハワイのルークフィールドやフィリピンのクラークフィールドなどに配属されています。また、海軍向けに発注されたFB-1は変更がなされないまま海兵隊の飛行隊に配属され、中国での任務に従事しました。その後FB-2が改造され、空母での運用が可能となりました。

FB-5型は、強力な525馬力のパッカードエンジンを搭載し、空母「ラングレー」でも運用できるように設計されました。このFB-5の初飛行は1926年10月に行われ、これをもって海軍機としての運用が実現しました。

各型解説

PW-9のバリエーションは数多く、陸軍用と海軍用に分かれています。陸軍型には多様な派生型があり、各種改良が施されています。例えば、XPW-9は試作機の一つで、PW-9Aはエンジンの改良が施された型などがあります。海軍型では、FB-1からFB-5まで様々な改良が行われ、空母運用を意識した設計が特徴的です。

要目（PW-9）

• - 乗員: 1名
• - 全長: 7.1 m
• - 全幅: 9.7 m
• - 全高: 2.40 m
• - 翼面積: 24.1 m2
• - 空虚重量: 878 kg
• - 最大離陸重量: 1,414 kg
• - エンジン: カーチス D-12 水冷V型12気筒（435 hp）
• - 最高速度: 257 km/h
• - 巡航速度: 229 km/h
• - 航続距離: 628 km
• - 上昇限度: 5,768 m
• - 武装: 7.62 mm 機関銃 2挺、爆弾244ポンド ×1

このように、ボーイングPW-9は、設計の優れた点、堅実な性能により、多くの局面で使用されました。航空史においても、重要な役割を果たした機体として位置づけられています。

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