Party Starters

嵐のラスト配信シングル『Party Starters』：社会情勢とデジタル時代のアイドル像

嵐のデジタルシングル『Party Starters』は、2020年10月30日、ジェイ・ストームより配信リリースされました。この楽曲は、嵐の活動休止前最後の配信シングルという重要な位置づけを持つとともに、そのリリースまでの道のりにも注目すべき点があります。

当初は2020年6月12日のリリースが予定されていましたが、アメリカで発生した黒人差別抗議デモの深刻化を受け、リリース延期という決断が下されました。これは、単なるスケジュールの変更ではなく、社会情勢への配慮と、グループとしての責任ある姿勢を示す重要な判断だったと言えるでしょう。

延期を経て、10月20日に10月30日からの配信開始が発表されると、ファンの期待は一気に高まりました。発表と同時に、公式YouTubeチャンネルではリリックビデオが公開され、その後にはミュージックビデオも公開されるなど、デジタル時代ならではの展開がなされました。

これらのビデオ作品は、オリジナル音源とは異なるアレンジが施されており、イントロ部分が若干長く構成されています。このバージョンは、後にリリースされたアルバム『This is 嵐』にも収録され、アルバム全体の完成度を高める一役を担っています。

『Party Starters』は、テレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』でテレビ初披露されました。華やかなパフォーマンスと、楽曲の持つポジティブなメッセージが、多くの視聴者の心を掴んだことでしょう。活動休止間近という時期に、多くの人々に元気を与える存在として、嵐の変わらぬ魅力が再確認された瞬間でした。

楽曲の内容としては、アップテンポでスタイリッシュなサウンドが特徴です。Sam HollanderとGrant Michaelsという海外の著名クリエイターが作詞作曲に携わっており、嵐のメンバーである櫻井翔によるラップパートも印象的です。ソフトバンク5Gプロジェクト「これからだ」篇CMソングとしても起用され、幅広い層への浸透を図っています。

『Party Starters』は、単なる楽曲という枠を超え、社会情勢への配慮、デジタル戦略、そして嵐というグループの在り方、それら全てが凝縮された、非常に象徴的な作品と言えるでしょう。活動休止という節目を迎える嵐にとって、デジタル時代におけるアイドル像を提示する、重要な1曲となったことは間違いありません。そのメッセージは、音楽を通してこれからも多くの人々に届き続けるでしょう。

収録トラック:

「Party Starters」 (Lyrics by Sam Hollander, Grant Michaels, Funk Uchino / Music & Produced by Sam Hollander, Grant Michaels / Rap by Sho Sakurai)

収録アルバム:

『Party Starters』
『This is 嵐』

映像作品:

『Party Starters』
* 『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』

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