Picasa

Picasa：Googleが提供していたデジタル写真管理ソフトウェア

Picasaは、かつてGoogleが提供していた、デジタル写真管理に特化した無料ソフトウェアです。元々はIdealab傘下の企業が開発していましたが、Googleによる買収を経て、世界中のユーザーに広く利用されるようになりました。Windows、Mac、Linuxと幅広いOSに対応し、その直感的な操作性と多様な機能から、多くのユーザーに親しまれていました。

Picasaの機能

Picasaは、デジタル写真の管理、編集、共有を効率的に行えるよう、様々な機能を搭載していました。主な機能は以下の通りです。

1. 画像の整理と管理:

インストール時にコンピューター内の画像ファイルを自動的に検索し、Picasaライブラリに統合します。監視フォルダを設定することで、新規に保存された画像も自動的に取り込むことが可能です。デジタルカメラからの画像取り込みにも対応し、RAW画像にも対応していた点は特筆すべきでしょう。

2. 画像の検索:

画像ファイルには「スター」と呼ばれるフラグやコメントを付与でき、これらを利用した迅速な検索が可能です。大量の画像を管理する場合でも、必要な写真を見つけ出す作業を効率化できました。

3. 画像の加工と編集:

Picasaは高度な画像編集機能を搭載していました。明度、彩度、コントラストの調整はもちろん、赤目補正、トリミング、リサイズ、回転、コラージュ作成なども可能です。「I'm Feeling Lucky」機能では、ワンクリックで自動的に最適な色彩とコントラストに調整する機能も備えていました。

4. 画像のバックアップ:

編集した画像は元のファイルとは別に保存されるため、編集前の状態に簡単に復元できます。また、CD-R、DVD、外部ドライブ、ネットワークドライブなどへのバックアップ機能も備えていました。

5. 画像の印刷:

様々なレイアウトテンプレートを用意しており、手軽に写真を印刷できます。日本語版ではデジプリサービスにも対応し、オンラインプリントも利用可能でした。

6. ウェブアルバム機能:

Googleアカウントと連携することで、ウェブアルバムを作成し、オンラインで画像を共有することができました。Picasaから直接アップロードするだけでなく、ブラウザからPicasaウェブアルバムに直接アップロードすることも可能です。Googleドライブ、Gmailなどのストレージと容量を共有し、無料枠の15GB（2015年当時）を利用できました。さらに、Google+のユーザーは、2048x2048ピクセルまでの写真と15分までの動画であれば、容量制限なくアップロードすることが可能でした。MacのiPhotoユーザー向けに、Picasaウェブアルバムへのアップロードプラグインも提供されていました。

サービス終了

Googleは2016年2月、写真関連サービスをGoogleフォトに一本化するため、Picasaのサービス提供終了を発表しました。同年3月15日をもって、Picasaのサポートは終了し、多くのユーザーにとって、長年親しんできたソフトウェアとの別れとなりました。Picasaは、その直感的な操作性と多様な機能で、デジタル写真の管理・編集における画期的なツールとして、多くのユーザーに記憶されています。

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