PlayStation Vita TV

PlayStation Vita TVについて

概要

PlayStation Vita TV（PS Vita TV）は、ソニー・コンピュータエンタテインメント（SCE）が2013年11月14日に発売した家庭用ゲーム機です。このデバイスは、据え置き型のPlayStation Vita（PS Vita）であり、DUALSHOCK 3およびDUALSHOCK 4のコントローラーを接続することで、対応するPS Vita用ゲームを楽しむことができます。日本以外では「PlayStation TV」として知られ、2014年に欧米地域での販売が開始されました。残念ながら、2016年2月をもって出荷が完了し、約2年3か月で販売が終了しました。SCEは、その理由としてPlayStation 4（PS4）およびPS Vitaの販売が好調であったことを挙げています。

開発経緯

PS Vita TVの開発は、2011年8月に構想が始まり、2012年9月から具体的な開発作業が進められました。日本市場ではストリーミングビデオに特化したデバイスが少なかったため、スマートテレビやセットトップボックスとしての需要を見込んで設計されたとされています。特に、リビングルームで邪魔にならず、家族全員が楽しめるように本体のサイズは小さく、価格も1万円以下に抑えられました。

ただし、このデバイスの開発担当者は、PS Vita TVを単なるセットトップボックスとは見なしておらず、ゲーム体験を拡大するためのツールとしての役割を強調しています。また、ターゲットとしている顧客層が異なるため、PlayStation 4との競合はしないとのことです。

ハードウェアの仕様

PS Vita TVのハードウェアは、PS Vitaと多くの共通点を持っており、システムソフトウェアも共に更新されます。無線LANと有線LANの両方を搭載し、一部のPS Vitaのゲームが非対応となる事例もあるものの、BluetoothのHIDプロファイルを利用して、キーボードやマウスなどの入力デバイスを接続することも可能です。また、PS Vita TV内では唯一のUSBAポートを使用してマイクを接続し、通信カラオケ機能にも対応しています。コントローラーは最大4台まで接続できるため、友達や家族と一緒に遊ぶことも簡単です。

映像出力はHDMI端子のみで、コピーガードがあるHDCPに対応しています。この点で、PS Vitaと異なる仕様となっているのが特徴的です。

制限事項

ただし、PS Vita TVにはいくつかの制約も存在します。SCEが確認していないアプリケーションはインストール可能でも起動できないようにロックされています。また、PS Vitaで利用可能なリモートプレイ機能は存在せず、PS4のリモートプレイには特定のシステムソフトウェアバージョン以降で対応しています。同一のPSNアカウントを利用できますが、PS VitaとPS Vita TVで同時にログインすることはできないため注意が必要です。

バリエーション

PS Vita TVの販売時には、本体単体版とDUALSHOCK 3、8GBのメモリカードが付属したバリューパックの二種類が存在しました。ソニーストア限定の特典付き刻印モデルも販売され、巻き込まれたゲーム作品の特典と共に人気を集めました。

結論

その後、PS Vita TVは家庭用ゲーム機市場において独自のポジションを築きましたが、出荷終了後はさらなる展開が見られませんでした。それでも、家族全員が一緒に楽しめるコンセプトと、ゲームとストリーミングエンターテイメントが融合した魅力的なデバイスとして、多くのゲームファンの記憶に残っています。

もう一度検索