Please Please Me, LOVE

Mi-Keのラストシングル「Please Please Me, LOVE」：楽曲、PV、そしてその歴史

1993年、Mi-Keにとって11作目にして最後のシングルとなった「Please Please Me, LOVE」。本楽曲は、数々のヒット曲を世に送り出したビーイング所属アーティストたちの間で特別な位置を占めています。

まず目を引くのは、作詞をWANDSで知られる上杉昇氏が担当している点です。上杉氏独特の感性と、Mi-Keのボーカルが織りなすハーモニーは、聴く者の心に深く刻まれる名曲を生み出しました。作曲・編曲は栗林誠一郎氏が手がけており、これは栗林氏が他アーティストのために作曲と編曲の両方を担当した唯一の作品という点で、非常に貴重な存在となっています。

さらに、このシングルには「Please Please Me, LOVE (Slow Version)」というカップリング曲が収録されています。こちらは、原曲とは異なるスローテンポのアレンジが施されており、イントロ部分には英語詞が用いられている点が特徴です。現在に至るまで、このスローバージョンはアルバム未収録となっており、シングルでしか聴くことができないレアなトラックです。

表題曲「Please Please Me, LOVE」のミュージックビデオ（PV）は、当時放送されていた音楽番組で公開されましたが、長らく商品化されず、ファンにとっては入手困難な幻の映像となっていました。後にDVD化されましたが、それもすぐに廃盤となり、長年入手困難な状態が続いていました。しかし、2012年の「LEGEND of 90's J-ROCK「LIVE BEST & CLIPS」」への収録によって、ようやく多くのファンが視聴できるようになりました。これにより、2011年にリリースされたベストアルバム「Mi-Ke Golden Hits 〜20th Anniversary〜」に付属していたPV収録DVDと合わせて、Mi-KeのPVを入手することが容易になりました。

また、本楽曲のコーラスには、作詞の上杉昇氏と作曲・編曲の栗林誠一郎氏も参加しており、制作陣の並々ならぬ情熱が感じられます。

「Please Please Me, LOVE」は、フジテレビ系ドラマ『愛情物語』の主題歌として起用され、ドラマの世界観と見事にマッチした楽曲として高い人気を博しました。

その後も、「永遠のリバプールサウンド〜Please Please Me, LOVE」、「Complete of Mi-Ke at the BEING studio」、「BEST OF BEST 1000 Mi-Ke」、「Mi-Ke BEST HITS」、「Mi-Ke Golden Hits 〜20th Anniversary〜」、「BEST HIT BEING」といった数々のアルバムに収録され、その人気は現在もなお続いています。

このように、「Please Please Me, LOVE」は、楽曲そのもののクオリティ、PVのレア性、そしてドラマタイアップなど、多くの要素が絡み合い、Mi-Keの音楽史において、重要な位置を占めるシングルとして記憶されています。Mi-Keの軌跡を語る上で、欠かすことのできない一曲と言えるでしょう。

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