PostGIS

PostGISは、PostgreSQLデータベースを地理空間情報に対応させるための強力な拡張機能です。オープンソースソフトウェアであり、GNU General Public License (GPL) の下で提供されています。

主な特徴

多様な地理データ型: 点、線分、ポリゴンといった基本的な地理データ型に加え、これらの組み合わせも扱うことができます。これにより、現実世界の複雑な地理形状をデータベース上で表現することが可能です。
高度な地理空間演算: 3x3行列による変換、面積、距離、周囲長の計算など、高度な地理空間演算が可能です。これらの演算は、GEOSライブラリを利用して効率的に実行されます。
集合演算: 和、差、対称差といった集合演算を地理空間データに対して行うことができます。これにより、複雑な地理空間データの解析が可能となります。
高速な検索: R木インデックスを利用した高速な検索が可能です。PostgreSQLの汎用検索ツリー(GiST)フレームワークを使用し、R木を独自に実装することで、効率的な空間インデックスを実現しています。
複合検索: 地理空間情報とその他の属性情報を組み合わせて検索することができます。例えば、「特定のエリア内の特定の条件を満たす建物」といった検索が可能です。
軽量な実装: PostGISは、ディスクとメモリのフットプリントを抑えた「軽量な」地理空間情報とインデックスを基礎としています。これにより、より多くのデータをメモリ上に保持でき、パフォーマンスの向上に貢献しています。

PostGISを利用できるソフトウェア製品

PostGISは、多くのGIS (地理情報システム) ソフトウェア製品でバックエンド・データベースとして利用されています。

以下はその代表的な例です。

ArcSDE 9.3
Cadcorp SIS
Feature Manipulation Engine
GeoServer
GRASS GIS (GPL)
Interoperability Extension from ESRI
Ionic Red Spider
Kosmo (GPL)
Manifold System
Mapnik (LGPL)
MapDotNet Server
MapServer (BSD)
MapGuide (LGPL)
MezoGIS
OpenJUMP (GPL)
QGIS (GPL)
TerraLib (LGPL)
TerraView (GPL)
uDig (LGPL)

これらのソフトウェアは、PostGISの地理空間処理能力を活用し、地図データの表示、分析、編集などの機能を提供します。

歴史

PostGISの最初のバージョンは、2001年にRefractions Research社によってGPLライセンスでリリースされました。その後、継続的に開発が進められ、2006年にはOpen Geospatial Consortium (OGC) によって、Simple Features仕様に準拠していることが認定されました。

関連項目

オープンストリートマップ (OpenStreetMap): 世界中のボランティアが作成した地図データで、PostGISを使って保存・管理されています。

外部リンク

PostGIS
PostgreSQL
* pgRouting

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