PostScript Printer Description

PostScript Printer Description（PPD）は、PostScriptプリンターが持つすべての機能を記述するために、プリンターメーカーによって作成され、提供されるテキストファイルです。一般的に「PPDファイル」と略されます。

PPDの概要

PPDは、PostScript言語を開発したアドビによって策定されました。PPDファイルの中には、印刷ジョブがプリンターの機能を呼び出すために使用するPostScriptのコード（コマンド）が含まれています。これは、プリンターのさまざまな機能に対する統一されたインターフェースを提供し、それ自体がすべてのPostScriptプリンターに対するドライバとして機能します。

例えば、あるプリンターのPPDファイルに以下のような記述があったとします。


LanguageLevel: "2"
ColorDevice: True


これは、そのプリンターがPostScriptのLevel 2をサポートしており、カラー印刷が可能であることを示しています。

PPDファイルは、印刷可能な用紙サイズ、プリンターのメモリ構成、内蔵フォントセットなど、プリンターの様々な仕様を定義できます。さらに、プリンター固有の設定を行うための階層的なユーザーインターフェースを記述することも可能です。

CUPSでの利用

CUPS（Common UNIX Printing System）は、LinuxやmacOSなどで使用されている印刷システムです。CUPSは、すべてのPostScriptプリンターに対してPPDファイルをドライバとして利用しています。また、CUPSのフィルタ機能を使って印刷データを加工することで、PostScript非対応のプリンターでもPPDファイルによる操作を可能にするように、概念が拡張されています。このようなファイルは、標準のPPDファイルとは区別され、「CUPS-PPD」と呼ばれることがあります。

CUPS-PPDは、PostScriptプリンター以外のプリンターをCUPSで利用する際に、PPDの枠組みを適用できるようにするための拡張です。これにより、CUPSは多様なプリンターを統一的な方法で管理し、印刷処理を行うことができます。

PPDファイルは、プリンタードライバの重要な構成要素であり、印刷システムの互換性と柔軟性を高める上で不可欠な役割を果たしています。

参考情報

• - Adobe Tech Note 5003: PostScript Printer Description (PPD) File Format Specification (PDFファイル)
• - Adobe Tech Note 5645: Update to PPD Specification Version 4.3 (PDFファイル)
• - CUPS, PPDs, PostScript and GhostScript (クルト・プファイフレによるチュートリアル)

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