Potlatch

Potlatchは、OpenStreetMapの編集に用いられるツールの一つで、特にウェブブラウザ上で動作するエディタとして知られています。このツールは、Adobe Flashを用いて開発されており、OpenStreetMapの公式サイト内で提供されていました。Potlatchの最大の特徴は、その使いやすさにあります。大規模な編集作業に適したJOSMと比較して、PotlatchはOpenStreetMapの利用を始めたばかりの初心者でも簡単に操作できるような設計がなされていました。

Potlatchを利用するためには、ウェブブラウザにVer.8以上のFlashプラグインがインストールされている必要がありました。このツールは、2010年夏に全面的に再実装されたアルファ版が公開され、同年12月には一般の利用者向けにリリースされました。また、マイクロソフトはOpenStreetMapに対し、Bing Mapsの航空写真をトレースに使用する権利を自主的に提供しました。これにより、Potlatchでは、背景画像としてBing Mapsの航空写真を表示させ、その上から地図データを編集することが可能になりました。この機能は、地図の正確性を高める上で非常に重要な役割を果たしました。

しかし、現在のOpenStreetMapのデフォルトエディタは、JavaScriptで記述されたiDエディタです。iDエディタは、SVGやD3.jsなどの技術を用いて、よりモダンで柔軟な地図編集環境を提供しています。そのため、Potlatchは現在では主要な編集ツールとしての役割をiDエディタに譲っています。しかし、Potlatch2は、中級レベルのユーザー向けのエディタとして、今でも利用することが可能です。Potlatch2は、過去にPotlatchを利用していたユーザーや、ある程度の地図編集経験を持つユーザーにとって、依然として価値のあるツールです。

このように、PotlatchはOpenStreetMapの編集ツールとして、その開発当初から重要な役割を果たしてきました。特に、初心者でも簡単に操作できるという点は、多くの新規ユーザーがOpenStreetMapの編集に参加するきっかけとなりました。技術の進歩とともに、より新しいエディタにその役割を譲ったものの、PotlatchはOpenStreetMapの歴史において、重要な位置を占めるツールであると言えるでしょう。

現在、Potlatch2のソースコードはGithubリポジトリで公開されており、OpenStreetMap wikiでも情報が提供されています。

Potlatch 2 Github repository

Potlatch 2 in the OpenStreetMap wiki

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