PowerBook Duo

Macintosh PowerBook Duo：携帯性と拡張性を両立した革新的なシリーズ

Macintosh PowerBook Duoは、Appleが1992年から1997年にかけて販売したパーソナルコンピュータのシリーズです。当時、携帯性と拡張性の両立を目指し、革新的な設計が採用されました。

特徴

PowerBook Duoの最大の特徴は、Macintoshシリーズの中でも最も薄型軽量であること。携帯性を重視するユーザーに最適でした。また、拡張性を高めるために、IDEOがデザインしたDuo DockやDuo MiniDockといった専用の拡張デバイスが用意されていました。

特にDuo Dockは、デスクトップ型Macintoshの上位機種に搭載されていたNuBusスロットや3.5インチHDDスロットを装備しており、PowerBook Duoをデスクトップ環境のように使用することを可能にしました。

ハードウェアの歴史

PowerBook Duoシリーズは、いくつかのモデルが存在します。それぞれの特徴を見ていきましょう。

PowerBook Duo 210, 230 (1992年)

シリーズ最初のモデルとして、1992年に登場しました。プロセッサには、25MHzまたは33MHzのMC68030を搭載。メインメモリは4MB（最大24MBまで拡張可能）、ストレージは80MBのSCSI接続2.5インチハードディスクでした。ディスプレイは9.1インチのモノクロSTN液晶（640x400ドット）を採用しています。Duo DockとDuo MiniDockも同時に発売されました。

PowerBook Duo 250, 270c (1993年)

1993年には、PowerBook Duo 250と270cがリリースされました。PowerBook Duo 250は、9.1インチのTFTグレースケール液晶（640x400ドット）を搭載。PowerBook Duo 270cは、シリーズ初のTFTカラー液晶（8.4インチ、640x480ドット）を搭載しました。VRAMが1MBに増量され、AAUI-15コネクタが内蔵されました。厚みが増した270cに対応するDuo Dock IIも発売されています。

PowerBook Duo 280, 280c (1994年)

1994年5月には、PowerBook Duo 280と280cが登場しました。プロセッサは33MHzの68LC040を搭載。PowerBook Duo 280は、9.1インチのTFTグレースケール16階調液晶（640x400ドット）を搭載し、PowerBook Duo 280cは、最大32,000色表示可能な8.4インチTFTカラー液晶（640x480ドット）を搭載しました。

PowerBook Duo 2300c/100 (1995年)

1995年にリリースされたPowerBook Duo 2300c/100は、シリーズ最後のモデルとなりました。開発コードネームは“AJ”。プロセッサには100MHzのPowerPC 603eを搭載。ポインティングデバイスとして、従来のトラックボールに代わりトラックパッドが採用されました。旧機種からのアップグレードキットも提供されました。68LC040やPowerPC 603eには対応しない68882 FPUが削除されたDuo Dock Plusも発売されています。

仕様

各モデルの詳細は、Appleの技術仕様ページを参照してください。

PowerBook Duo 2300c/100 - 技術仕様'>Macintosh PowerBook Duo 2300c/100 - 技術仕様
PowerBook Duo Dock Plus - 技術仕様'>Macintosh PowerBook Duo Dock Plus - 技術仕様

外部リンク

* PowerBook Duo｜Mac'>祝 Macintosh 30周年!! Dock拡張を可能にした軽量ノートPowerBook Duo｜Mac

PowerBook Duoシリーズは、携帯性と拡張性という相反する要素を両立させようとした、Appleの意欲的な試みでした。その革新的な設計は、後のノートブックコンピュータに大きな影響を与えました。

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