IDEO

IDEO：世界をリードするデザインとイノベーションの力

IDEOは、アメリカ合衆国カリフォルニア州パロアルトに本社を置く、グローバルに展開するデザインコンサルティング会社です。製品、サービス、空間、そしてデジタルエクスペリエンスデザインにおいて、世界中の企業や組織に革新的なソリューションを提供しています。その活動は、単なるデザインにとどまらず、経営コンサルティングにも及ぶ幅広い範囲をカバーしています。

IDEOの歴史と設立

IDEOは、1991年、4つのデザインファームの合併によって誕生しました。そのルーツは、スタンフォード大学教授であるデビッド・ケリーが設立したDavid Kelly Designをはじめ、Moggridge Associates、ID Two、そしてMatrix Product Designという、それぞれ独自の強みを持つデザイン集団です。設立当初から、オフィス家具メーカーのSteelcase社の支援を受け、独立部門として運営されてきました。現在も共同創設者のデビッド・ケリーは会社に関わっており、2001年にはティム・ブラウンがCEOに就任しています。

幅広い専門性とグローバルなネットワーク

IDEOは、約500名の多様な人材を擁しています。人間工学、機械・電気・電子工学、ソフトウェア工学、工業デザイン、インタラクションデザインなど、幅広い専門分野のスペシャリストたちが集結し、複雑な課題にも対応できる体制を築いています。世界中に拠点を持ち、パロアルトに加え、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク、ボストン、ロンドン、ミュンヘン、東京、上海などにオフィスを構え、グローバルな視点からプロジェクトを進めています。

数々の成功事例と顧客

IDEOはこれまで、コンピュータ、医療、家具、玩具、事務機器、自動車製造など、多様な業界の顧客に対し、数千件にも及ぶプロジェクトを実施してきました。Appleの最初のマウスやPowerBook Duoのドッキングシステム、Microsoftの2番目のマウス、Palm V、SteelcaseのLeapチェアなど、私たちの生活に身近な製品デザインにも貢献しています。過去には、Procter & Gamble、PepsiCo、Microsoft、Eli Lillyといった世界的大企業が主要顧客として名を連ねていました。

イノベーションへの取り組みと社会貢献

IDEOは、単なるデザイン会社としてだけでなく、イノベーションを促進する企業として知られています。2000年には、ABCの番組Nightlineで、わずか5日間で新しいショッピングカートのデザインを行う様子が放送され、話題を呼びました。また、2006年には、ビジネスウィーク/アメリカ工業デザイン協会(IDSA)が主催するIDEA賞を最多受賞するなど、そのデザイン力とイノベーションへの取り組みは高く評価されています。2011年には東日本大震災を受け、東京にオフィスを開設。TEDxTohokuでのプレゼンテーションでは、復興支援にも貢献しています。2016年には博報堂DYホールディングスの「kyu」から出資を受け、さらなる発展を遂げています。

出版物とTED講演

IDEOの活動や思想は、数々の書籍やTED講演を通して広く知られています。トム・ケリーによる『The Art of Innovation』や『The Ten Faces of Innovation』、ジェーン・フルトン・スーリとIDEOによる『Thoughtless Acts?』など、デザイン思考やイノベーションに関する貴重な知見が提供されています。また、デビッド・ケリー、ポール・ベネット、ティム・ブラウンらによるTED講演は、世界中の人々にインスピレーションを与え続けています。

まとめ

IDEOは、デザインの枠を超えたイノベーションを推進する、世界をリードする企業です。多様な専門性、グローバルなネットワーク、そして顧客との深い連携によって、これからも世界にインパクトを与える数々のプロジェクトを生み出し続けるでしょう。その活動は、私たちの生活を豊かにし、未来社会を創造していく上で、重要な役割を果たしています。

もう一度検索