Progress of Theoretical Physics

Progress of Theoretical Physics（PTP）

Progress of Theoretical Physics（理論物理学の進歩）は、京都大学基礎物理学研究所と日本物理学会によって共同で発行された、理論物理学に特化した英語の学術誌です。この雑誌は1946年に湯川秀樹博士らの手によって創刊され、2012年まで刊行されました。

概要

PTPでは、素粒子物理、場の理論、原子核物理、固体物理、統計物理、天体物理、宇宙論に関する研究論文が、専門家による査読を経て掲載されていました。この雑誌は年間2巻、1巻あたり6号の構成で刊行されており、普通の論文に加え、随時編集委員会からの依頼によるレビュー論文も特集されていました。また、不定期で特定テーマを扱うSupplementがあり、これは基礎物理学研究所が主催した国際会議のプロシーディングを含んでいました。

2008年には、PTPへの論文投稿がオンラインで可能となり、査読プロセスもすべてWEBを通じて行えるようになりました。さらに創刊号からの論文アーカイブ機能「PTP Online」が設けられ、日本物理学会と応用物理学会の共同による物理系学術誌刊行センターのシステムを利用していました。

資金事情

出版にかかる費用の約50%は、日本学術振興会から提供されていた補助金で賄われていましたが、徐々にその割合は減少し、2008年には約27%にまで落ち込みました。この時期、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英氏は、メディアによる記者会見で、「研究成果が国際的に評価されるためには、日本人による運営が必要であり、信頼できる学術誌を持つことが重要だ」と述べ、持続的な助成制度の必要性を強調しました。

刊行元

PTPは、京都市左京区北白川追分町にある京都大学理学部内の湯川記念館で発行され、理論物理学刊行会が著作を担っていました。そして、ISSN番号がそれぞれの版に割り当てられており、ペーパー版とオンライン版の両方で利用可能でした。

• - PTP：0033-068X（ペーパー）、1347-0481（オンライン）
• - PTP Supplement：0375-9687（ペーパー）、1347-0481（オンライン）

後継雑誌

PTPの刊行は2012年12月に終了し、その運営は日本物理学会へと引き継がれました。2013年より、「Progress of Theoretical and Experimental Physics (PTEP)」として新たに発行が開始され、理論物理学の領域に加えて高エネルギー物理、原子核物理、宇宙線物理及びビーム物理に関する実験的研究も扱われるようになりました。

関連項目

• - 京都大学
• - 京都大学基礎物理学研究所
• - 湯川秀樹
• - 朝永振一郎
• - 小林誠（物理学者）
• - 益川敏英

外部リンク

• - PTP Homepage
• - Progress of Theoretical and Experimental Physics

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