Publishing TeX

Publishing TeX (pTeX) について

Publishing TeX、通称pTeXは、日本語の組版処理に対応するために開発されたTeXシステムの一種です。TeX自体は、ソースコードが公開されている自由な組版処理ソフトウェアであり、誰でも改良を加えることが可能です。元々英語圏で開発されたTeXを日本語に対応させる試みは複数存在しましたが、その中でもpTeXは、日本語特有の縦組みに対応したことが大きな特徴です。

歴史

アスキー日本語TeXとpTeXの誕生

TeX'>[TeX]]を日本語に対応させる試みは、NTTによるNTT JTeXや、アスキーによるアスキー日本語TeXなどが存在しました。しかし、当初は技術的な制約から、縦組みの組版は困難でした。1990年、アスキーはTeXを大幅に改造し、縦組みにも対応させ、これを機に名称をp[[TeX]へと変更しました。

pLaTeXの登場

TeXの拡張マクロセットであるLaTeXを日本語に対応させたものがpLaTeXです。これはpTeX上で動作する拡張マクロセットで、pTeXと合わせて日本語の組版環境を構築する上で重要な役割を果たしています。アスキーはpTeXを含む編集ツール群を「EWB (Editor's Work Bench)」として開発し、自社の出版業務に活用するとともに、一般にも公開していました。

コミュニティ版pTeXの誕生

アスキーによるpTeXおよびpLaTeXの更新は、2006年以降停止していました。しかし、2016年になり、最新のTeXやLaTeXへの対応など、今後の開発を目指す日本語TeX開発コミュニティがフォークし、開発を引き継ぐこととなりました。

pTeXの派生版

pTeXには、いくつかの派生版が存在します。これらの派生版は、pTeXの機能を拡張したり、特定の環境に対応させたりする目的で開発されました。

upTeX
2007年に田中琢爾氏によって開発されたupTeXは、内部をUTF-8に対応させたものです。これにより、多言語環境での利用が容易になりました。このupTeXは、TeX Live 2012に取り込まれ、広く利用されています。

ε-pTeX
2008年に北川弘典氏によって開発されたε-pTeXは、ε-TeXと同様にレジストリ数を拡張したものです。これにより、より複雑な組版処理が可能になりました。ε-pTeXは、TeX Live 2011に取り込まれています。

派生版の詳細については、2012年の北川氏の講演資料が参考になります。

関連技術

TeX
pTeXのベースとなっている組版処理システム。高品質な組版結果を得られることで知られています。
LaTeX
TeX上で動作するマクロセット。構造化された文書を作成するのに適しています。pLaTeXは、LaTeXの日本語対応版です。
DTP
pTeXは、DTP（DeskTop Publishing）の分野でも利用されています。

脚注

出典

外部リンク

アスキー日本語 TeX (Publishing TeX)
日本語TeX開発コミュニティ
TeX Wiki
Github: Japanese TeX Development Community
pLaTeXニュース: pLaTeX-news - Google ドライブ（最新版の変更内容について記されています）
the Comprehensive TeX Archive Network (CTAN)
Cloud LaTeX 株式会社アカリクが運営する、Web 上で pTeX をコンパイルできるサービス

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