Q-5 (航空機)

Q-5（強撃5）について

Q-5（強撃5、Qiang-5）は、中国の南昌飛機製造公司（NAMC）によって開発された攻撃機で、輸出名はA-5、NATOの呼称は「ファンタン（Fantan）」です。本機は、ソ連のMiG-19をベースに派生した機体で、攻撃機としての特性が強化されています。

開発の経緯

中国は、1958年にMiG-19のライセンス生産を始め、J-6という名称でこの機体を製造しました。そして、このJ-6を基にした新たな作戦機の研究が同年から開始されましたが、初期の試作計画はいったん中止されました。その後も研究は続けられ、1963年に開発計画が復活、1966年6月4日に初飛行を果たしました。最終的に1965年にQ-5が完成し、1969年12月から空軍への引き渡しが開始されました。

設計特徴

Q-5はJ-6の派生機ではありますが、多くの改良が加えられています。エアインテークが機体の両脇に配置され、ノーズコーンには測距レーダーや航法用の電子機器が設置されています。胴体は4m延長され、爆弾槽が追加されたことにより、視覚的にも大きな変化を遂げています。MiG-19はそのままでは戦闘機に分類されますが、Q-5は攻撃機としての運用が前提であり、初期には戦闘機として誤解されることもありました。

運用の現状

1979年には中国の空軍の演習映像が公開され、その中にQ-5の運用映像が含まれていました。この際、Q-5はJ-6を改造した攻撃専用機であることが明らかになり、機体形状の変更は空力特性の改善を狙ったものであることが示されました。とはいえ、MiG-19由来のエンジン寿命の短さや整備の手間といった欠点もそのまま受け継いでおり、中国においては代替機が無いため、約1,000機の生産が行われました。改良の取り組みは行われたものの、天安門事件により一旦中断されました。

派生機とその他の使用国

Q-5には多くの派生型が存在し、核運用型や低空飛行での敵艦への攻撃を目的とした型も含まれています。また、複座練習機型も製造され、様々な国に輸出されました。退役した国も多いですが、ミャンマーなどでは現在でも数機が運用されています。また、スーダン空軍でも使用されていることが確認されています。

まとめ

Q-5（強撃5）は、中国の空軍と海軍で運用される攻撃機として重要な役割を果たしてきました。旧式化に伴う退役が進んでいますが、依然として一部の国で現役として使用され続けています。また、さまざまな派生型が開発され、それぞれ異なる目的に対応した機体が存在することも、Q-5の魅力の一つです。

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