QBサック

アメリカンフットボールにおけるサックとは

アメリカンフットボールにおいて、「サック（QBサック）」とは、相手[クォーターバック]がフォワードパスを投げる前に、スクリメージラインの後ろでタックルされることを指します。これは、QBがポケット内でタックルされた場合や、ディフェンスのプレッシャーを受けてスクリメージラインの後ろでアウトオブバウンズになった場合も含まれます。

サックが発生する状況

サックは、ディフェンスチームのディフェンシブライン、ラインバッカー、ディフェンシブバックなどが、効果的なパスラッシュによって攻撃チームのブロックを突破し、QBにプレッシャーをかけることで発生します。

サックの効果

サックはディフェンスチームにとって非常に有利なプレーです。なぜなら、オフェンスはダウンを失い、スクリメージラインが後退するため、攻撃が困難になるからです。さらに、QBがサックされた際にボールをファンブルすると、ディフェンスがボールをリカバーした場合、ターンオーバーとなり、攻撃権がディフェンスに移る可能性があります。これをストリップサックと呼びます。

自分のエンドゾーン内でサックされた場合は、セイフティとなり、ディフェンス側に2ポイントが与えられます。

サックと判定されないケース

サックと見なされるには、QBがフォワードパスを投げると想定される状況でなければなりません。QBがランプレーでボールを進めるように設計されている場合、ロスはQBのラッシングヤードから差し引かれます。QBの意図が明確でない場合は、オフェンシブラインのブロッキングスキームなどの基準を用いて判断されます。また、攻撃権を維持したまま時間稼ぎのためにQBがニーダウンした場合も、サックとは見なされません。

サックの記録方法

複数の選手がサックに貢献した場合、各選手にはサックの半分が記録されます。NFLでは、0ヤードのサックも記録可能です。チームのパスヤードはサックによって失われたヤードが差し引かれますが、QB個人のパス記録は変更されません。NCAAでは、個人のラッシングヤードからサックによる損失ヤードが差し引かれます。

サックの歴史

「サック」という用語は、1960年代にプロフットボール殿堂入りしたディフェンシブエンドのディーコン・ジョーンズによって広められました。NFLがサックを公式記録として集計し始めたのは1961年ですが、ディフェンス選手にサックとして記録されるようになったのは1982年からです。プロフットボール研究者協会のジョン・ターニーは、ジョーンズが現役時代に173.5回のサックを記録したと推定しています。

近年のルール変更

2018年シーズン以降、NFLではラフィング・ザ・パサーのルールが厳格化され、サック後のQBへの着地方法が問題視されるようになっています。これにより、サックを狙うディフェンス選手は、QBの安全を考慮しながらプレーする必要性が高まっています。

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