QH-50 DASH

DSN-1 / QH-50 DASH（無人対潜ヘリコプター）

DSN-1 / QH-50 DASHは、かつてアメリカ海軍に配備されていた無人の対潜ヘリコプターで、ジャイロダイン社によって開発されました。このヘリコプターは、特に水上艦の小型化が進む中、有人ヘリコプターを搭載するにはあまりにも小さな艦艇にも導入可能であり、長距離にわたって敵の潜水艦を攻撃できる能力を持ち合わせていました。しかし、多くの事故と運用上の限界から、アメリカ海軍は1969年にこの機体の運用を終了し、海上自衛隊でも運用されたものの1977年に退役しました。

開発と背景

アメリカ海軍は、1948年から導入した初のスキャニング・ソナーQHBを基に、AN/SQS-4|AN_SQS-4の開発を進め、その探知能力は当時の潜水艦に対する攻撃の能力を大きく広げることを期待されていました。加えて、324mm対潜ロケット砲の開発が進行していたものの、その運用には大きな設備が必要でありました。そのため、海軍はより軽量かつ効率的な対潜攻撃手段として無人機の開発に着手しました。

1956年、大西洋艦隊では小型の無人航空機の採用を提案し、これが後にDASHの開発へとつながりました。1957年8月には、海軍作戦部長より開発が承認され、以降数回にわたってテストが行われました。特に、「ミッチャー」駆逐艦での操縦実験により、小型航空機の艦載化の道が開けました。

機体設計

DASHは、YRONと呼ばれる超小型有人ヘリコプターを無人化した設計であり、同軸反転ローターを採用していました。これにより、小型の留意点を保ちつつも、一定の運動能力を持つことが可能でした。初期モデルは、ポルシェ製のエンジンを搭載し、Mk.43短魚雷を1発搭載可能でしたが、その後のDSN-3モデルでは、より強力なエンジンが搭載され、最大で2発の短魚雷を搭載することができました。

運用状況と課題

DASHは、アメリカ海軍において対潜作戦の要として数多くの駆逐艦に搭載されました。しかし、様々な事故が発生し、後には約746機が生産されるものの、そのうちの半数以上が喪失する結果となりました。多くの損失は電子機器の故障によるもので、運用に関する信頼性も問題視され続けました。

1968年頃には、ランプシステム（LAMPS）の導入が進められ、DASHの役割を新たに有人ヘリコプターが引き継ぐこととなります。新システムは、対潜戦だけでなく多目的に使用されることを目指しました。

海上自衛隊もまたDASHを導入し、その運用成績はアメリカ海軍より優れていたものの、やはり内部・外部からの批判を受けることになりました。最終的には、1979年には日本でも運用が終了しました。

総評

DASHの開発と運用は、高度な技術と新しい戦術への挑戦の一環でしたが、その運用に伴うリスクや信頼性の問題が常に影を落としていました。このような歴史は、無人機の発展が如何に重要であるかを示しています。現在でも、DASHの後継機や新型無人ヘリコプターシステムがアメリカ海軍や自衛隊で運用されていますが、その教訓は現在の技術改革においても色濃く影響を与えています。

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