QRペディア

QRペディアとは

QRペディアは、訪問者が好きな言語でウィキペディアの記事にアクセスできるモバイル・ウェブシステムです。このシステムでは、QRコードを使用して情報を提供し、単一のコードで多言語対応を実現します。

仕組み

QRペディアのQRコードを読み込むと、携帯機器はそのコードからウィキペディアの記事名を抽出し、指定された言語とリンク先のドメイン「qrwp.org」を組み合わせてURLを生成します。例えば、英語のQRpedia記事であれば「en.qrwp.org/QRpedia」にアクセスします。

携帯機器の言語設定もQRペディアサーバーに送信され、サーバーはウィキペディアのAPIを使用して、記事がその言語で提供されているかを確認します。もし同じ言語の内容があれば、モバイル端末向けに最適化された記事が返され、該当の記事が存在しない場合は、ウィキペディアの検索結果が表示されます。この仕組みにより、博物館などが翻訳を提供できなくても、QRコード一つで多言語の情報が得られるのです。

起源

QRペディアは、ウィキメディア財団のイギリス支部長であるロジャー・バムキンとモバイルウェブコンサルタントのテレス・エデンによって開発されました。2011年4月9日にダービー博物館・美術館にて公開されたこのシステムは、GLAM/ダービーというウィキペディアとの連携プロジェクトの一環です。このプロジェクトにより、1,200以上のウィキペディアの記事が様々な言語で作成されました。プロジェクト名は、QRコードの略称「QR」とウィキペディアを組み合わせたものであり、MITライセンスの下でソースコードが公開されています。

導入例

QRペディアはイギリスで誕生しましたが、デジタル信号の送受信が可能な場所ならば、どこでも利用可能です。2012年9月時点で、導入されている施設は以下の通りです。

• - アメリカのインディアナポリス子供博物館
• - 連邦議会共同墓地
• - ダービー博物館・美術館（イギリス）
• - エストニア・スポーツ博物館
• - 司法美術博物館
• - スペインのミロ美術館
• - イギリスの国立公文書館
• - イギリスの国立コンピュータ博物館
• - ブルガリアのソフィア動物園
• - ウェールズのモンマス（モンマスペディアプロジェクトの一部）
• - バーミンガムのセント・ポール教会
• - プラハにあるモニュメント
• - スコピエ動物園

このように、QRペディアは多くの施設で活用されており、訪問者が多様な言語で文化的な情報にアクセスできる道を開いています。

参考文献

• - QRpedia - QRコード生成ライブラリ
• - Twitter: @QRpedia

QRペディアは、情報のデジタル化を進めることで、より多様な文化理解を促進しています。

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