QW-1 (ミサイル)

QW-1 (前衛-1) 携帯式防空ミサイルシステム

QW-1（前衛-1、QianWei-1、Vanguard l）は、中国北方工業公司（NORINCO）が開発した携帯式防空ミサイルシステム（MANPADS）です。歩兵が肩に担いで運用できるため、低空を飛行する航空機やヘリコプターに対する脅威となります。

開発経緯

QW-1は、中国が初めて開発した携帯式防空ミサイルであるHN-5に次いで開発されました。開発は瀋陽の119工廠が担当しました。このミサイルの開発には、ロシアの9K310 イグラ-1が参考にされたと考えられています。誘導方式も同様に、冷却措置を施したアンチモン化インジウム（InSb）焦電素子によるパッシブ赤外線ホーミングを採用しています。

1994年のファーンボロー国際航空ショーで初めて一般公開されました。

パキスタンではAnza Mk-2としてライセンス生産されており、インド空軍のMiG-21およびMiG-27の撃墜が報告されています。また、イランでもMisagh-1として生産されています。

各型

QW-1にはいくつかの派生型が存在します。

QW-1: 初期型です。
QW-1M: 2002年に公開された改良型です。
QW-1A: QW-1Mにレーダー、液晶ディスプレイなどを加えたネットワーク型です。複数のQW-1Aシステムを連携させることで、より広範囲な防空能力を発揮できます。
QW-11: 巡航ミサイルなどの低空目標迎撃を目的とした開発型で、QW-1Gとも呼ばれます。
QW-18: シーカーを2波式とした改良型です。これにより、フレアなどの妨害に対する耐性が向上しています。

採用国

ウズベキスタン - 2023年時点で、ウズベキスタン陸軍がQW-18を保有しています。

性能

QW-1の具体的な性能は公開情報が限られていますが、以下のような特徴を持つと考えられています。

射程: 数キロメートル程度
速度: 超音速
誘導方式: パッシブ赤外線ホーミング
弾頭: 高性能炸薬

脅威

QW-1は、その携帯性と破壊力から、民間航空機や軍用機にとって大きな脅威となります。特に、紛争地域においては、テロリストやゲリラなどがQW-1を入手し、航空機攻撃に使用する事例が報告されています。

今後の展望

中国は、QW-1の改良型や、より高性能な携帯式防空ミサイルシステムの開発を継続していくと考えられます。これらの新型ミサイルは、中国の防空能力を向上させるだけでなく、国際的な武器市場にも影響を与える可能性があります。

脚注

Jane's Information Group
SinoDefence.com

関連項目

携帯式防空ミサイルシステム
QW-2
HN-5
前衛

外部リンク

中国精密機械進出口総公司
日本周辺国の軍事兵器（2010年9月23日確認）
* SinoDefence（2010年9月23日確認）

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