QtWeb

QtWeb（キュートウェブ）は、Qt frameworkとWebKitを基盤として開発された、Windows、Mac OS X、Linux、UNIXで動作するフリーでオープンソースのウェブブラウザです。その最大の特徴は、実行ファイルのサイズが小さく、動作が非常に軽快である点です。USBメモリなどのポータブルメディアからも直接実行できるため、場所を選ばずに利用できる利便性も持ち合わせていました。

UI（ユーザーインターフェース）のカスタマイズ性も高く、異なるOSの見た目に容易に変更することが可能でした。発表当初は、「軽い」「速い」「使いやすい」という触れ込みで注目を集めましたが、Qt5へのバージョンアップを渋った結果、開発が事実上停止してしまいました。2015年1月以降、公式な更新は全く行われていません。

QtWebが持つ特徴や利点は、短期間後発のQupZillaという別のブラウザに引き継がれました。QtWebは特にPDFへのコンバート機能を強みとしていましたが、QupZillaではこの機能がPNG形式のスクリーンショットに置き換えられています。

現在では、有志によってShift-JISに対応した日本語版が開発されており、Qt5.3.1で起動するように改良されたバージョンが2013年以降公開されています。これにより、過去の資産が一部ではありますが、現在でも活用されています。

更新履歴

2009年
3月23日 - バージョン2.0リリース。UIのカスタマイズ機能の拡充、印刷プレビュー機能の搭載。
5月28日 - バージョン2.5リリース。完全に単独で動作するポータブル実行ファイルとなる。
7月18日 - バージョン3.0リリース。マウスジェスチャーと広告ブロック機能を搭載。
9月11日 - バージョン3.1リリース。多言語対応。
11月27日 - バージョン3.2リリース。Torrentクライアント機能を搭載、UIの日本語化対応。
2010年
2月9日 - バージョン3.3リリース。動作速度を向上。
10月19日 - バージョン3.5リリース。Qt FrameworkおよびWebKit、JavaScriptコアを更新。Microsoft Windows版に加え、Mac OS X版を公開。
12月2日 - バージョン3.7リリース。対応OSにLinuxおよびUNIXを追加。
2013年
5月27日 - バージョン3.8.4リリース。各種調整とバグの修正。
9月9日 - バージョン3.8.5リリース。

脚注

外部リンク

QtWeb 公式サイト（英語）
* QtWeb Project Home (Google Code)（英語）

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