Quarter Inch Cartridge

Quarter Inch Cartridge (QIC) とは

Quarter Inch Cartridge（QIC、1/4インチ・カートリッジ）は、1970年代から2016年頃までコンピュータのデータストレージに用いられた磁気テープの規格です。長期間にわたり使用され、様々な容量と物理的形状のバリエーションが存在しました。

QIC の概要

QICは、主にデータバックアップ用途で使用されました。初期のQICテープドライブは、内部の2つのリールがベルトで駆動されるデータカートリッジ（DC）を使用していました。これらのDCは、5.875x3.875インチのサイズで金属製の土台を備えていました。ベルトは一部が露出したプーリー（滑車）によって駆動され、リールの軸は外部に露出していませんでした。この設計により、テープに過度のテンションをかけることなく、一定の速度でテープを移動させることができました。

3Mによって1972年に開発されたこのデータカートリッジ（DC）は、その後、さまざまな形式のQIC DCへと発展しました。以下に主なQIC DCの規格を示します。

QIC-11: 4トラック、容量20MB (DC300XLカートリッジ、長さ450ft)
QIC-24: 9トラック、容量45MBまたは60MB (DC600Aカートリッジ、長さ450ftまたは600ft)
QIC-120: 15トラック、容量125MB (DC6150カートリッジ)
QIC-150: 18トラック、容量150MB (DC6150カートリッジ)
QIC-525: 26トラック、容量525MB (DC6525カートリッジ、長さ1000ft)
QIC-1350: 30トラック、容量1.35GB (DC9135カートリッジ)
QIC-1350: 容量1.6GB (MAGNUS1.6カートリッジ、長さ950ft)
QIC-2GB: 容量2GB (MAGNUS2.0カートリッジ、長さ950ft)
QIC-2100: 容量2.1GB (MAGNUS2.1カートリッジ、長さ950ft)

また、QIC DCには、ドライブ接続用のインターフェイス標準として、QIC-02やQIC-36がありましたが、後にはSCSIが標準として使用されるようになりました。

QIC Mini Cartridge (MC)

その後、より小型のミニカートリッジ（MC）が開発されました。このMCは、2.375×3.125インチのサイズで、3.5インチベイに収まるサイズでした。QIC-40およびQIC-80フォーマットは、それぞれ40MBと80MBの容量を持ち、フロッピーディスクと同じインターフェイスを利用してMFMまたはRLLエンコードに対応しました。

ミニカートリッジの主な規格は以下の通りです。

QIC-40: 20トラック
容量 40MB (DC2000ミニカートリッジ、長さ205ft)
容量 60MB (DC2000XLミニカートリッジ、長さ307.5ft)
QIC-80: 28トラック
容量 80MB (DC2080ミニカートリッジ、長さ205ft)
容量 120MB (DC2120ミニカートリッジ、長さ307.5ft)
Irwin80: RHOMAT(ローマット)フォーマット
容量 80MB (DC2080ミニカートリッジ、長さ205ft)
容量 120MB (DC2120ミニカートリッジ、長さ307.5ft)

QIC規格の変遷

QIC規格は、初期のDCからMCへと小型化が進み、容量も増大しました。初期のQICは、主にバックアップ用途で使用され、その後の技術革新により、より高速で大容量のデータストレージ媒体が登場するまでの間、重要な役割を果たしました。

まとめ

QICは、コンピュータのデータストレージ技術において、重要な役割を果たした規格の一つです。その歴史は、磁気テープ技術の発展を反映しており、初期のデータカートリッジから、より小型のミニカートリッジまで、様々なバリエーションが存在しました。QICは、その後のストレージ技術の発展に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

『インターフェース』CQ出版社、1993年12月1日。

関連項目

磁気テープ
* Cartridge Magnetic Tape

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