Quarter Note (山崎まさよしのアルバム)

Quarter Note

『Quarter Note』（クォーターノート）は、シンガーソングライター・山崎まさよしが2019年11月13日にリリースした、通算12枚目となるオリジナルアルバムです。

前作『LIFE』から約3年ぶりに発表されたこのフルアルバムのタイトル「Quarter Note」には、「四分音符」という意味に加え、自身のデビュー25周年（Quarter=四半世紀）を迎える時期と重なることにちなんだダブルミーニングが込められています。制作はEMI Records、発売・販売元はユニバーサルミュージック合同会社より行われました。規格品番は、特別盤がUPCH-29350/1、通常盤がUPCH-20539です。

アルバムに収録された楽曲の中には、過去に制作されながらも未発表だったトラックに、新たに歌詞を書き下ろして完成させたものが複数あります。具体的には「Regression」、「愛にコリータ」、「ロートルボクサー」、「インターバル」がこれにあたります。特に「ロートルボクサー」は、十数年前にデモ音源がほぼ完成していたものに改めて歌詞を乗せ、メロディーラインにわずかな変更を加えて仕上げられたという背景を持ちます。この楽曲はミュージック・ビデオも制作され、元プロボクサーの山中慎介氏との共演が実現しました。

タイアップ楽曲も複数収録されています。

「Eyes On You」は、映画『君から目が離せない ～Eyes On You～』の主題歌として書き下ろされました。この映画の監督を務めた篠原哲雄氏は、山崎まさよしが初主演した映画『月とキャベツ』でもメガホンを取っています。劇中で山崎が鼻歌を歌うという設定があったため、メロディーを先に作り、そこから楽曲を構成していったというエピソードが残されています。

「影踏み」は、山崎自身が主演を務めた同名映画『影踏み』の主題歌です。この曲は、映画のクランクアップ後、編集途中のラフな映像を観ながら作曲されたといいます。当初、プロデューサーの松岡周作氏からは「バラードで感動的な曲」を期待されていましたが、山崎はエンドロールで流れることを考慮し、作品の世界観から独立して感情的になりすぎることを避けました。その代わりに、ノスタルジックな旋律を選び、映画本編では描ききれなかった登場人物の心情や背景にあるシチュエーションを歌詞に落とし込むことを意識して制作されました。この楽曲は、2019年9月14日に『影踏み movie ver.』として別バージョンが先行配信されています。また、同年11月22日には、音楽番組『ミュージックステーション』に映画で共演した北村匠海とともに出演し、二人でこの曲を披露しました。山崎はこの共演について、「この歌は映画のストーリーを補完したり、描かれなかった部分を歌詞にしたものなので、タクミくんと一緒に歌うことに意味がある」と語っています。北村も、2019年に開催された音楽イベント「Augusta Camp 2019」にサプライズで出演し、山崎とともにこの曲を歌唱しています。

アルバムの最終トラックに収められた「FIND SONG」は、「平成という時代が終わることを意識して書いた曲」だとのことです。

特別盤には特典CDが付属し、こちらには映画『影踏み』のサウンドトラックが収録されています。

本作は、約3年間の活動の中で生まれた楽曲群に加え、温めてきた過去の音源に新たな息吹を吹き込んだ楽曲、そして複数の映像作品に寄り添った楽曲が集められ、山崎まさよしの当時の音楽世界を多角的に表現した一枚となっています。

【収録曲】
Disc1（CD）：
(楽曲リストは提供されていません)

Disc2（特別盤付属CD）：
映画『影踏み』オリジナル・サウンドトラック

【関連項目】
2019年の音楽

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