R-2 (航空機・日本)

R-2 練習機

R-2は、1920年代の日本において石川島飛行機が大日本帝国陸軍のために設計した練習機です。この機体名の「R」は「練習機」を意味しています。

開発の背景

1927年7月、石川島飛行機は自社開発のR-1練習機が不採用となった後、新たにR-2の開発に着手しました。R-1の設計を基にしつつも、新しく設計されたR-2は更なる性能向上を目指しました。1930年3月には2機の試作機が完成し、陸軍に納品されました。これにより、陸軍による審査が行われることになりました。

パフォーマンスと評価

試作機の操縦性などの性能は高く評価されましたが、安定性に問題があり、搭載された英シラス社製エンジンの信頼性にも疑念が持たれました。そのため、実用性に欠けると判断され、最終的には制式採用には至りませんでした。しかし、試作機は1935年頃まで陸軍ではなく、石川島の社用機として使用され続けました。

機体の特徴

R-2は鋼管製の骨組みを持つ胴体、木製の骨組みを有する主翼から構成されています。さらに、複葉機の形状で、流線型のより洗練されたデザインを採用しています。この設計では、楕円形の垂直尾翼が目を引きます。また、翼間支柱の形状やエンジンの配置もR-1から改善されました。試作機の1号機と2号機においては、固定脚の緩衝装置の取り付け位置が異なるなどの点も見られます。

性能と仕様

R-2の主要な諸元は次の通りです。

• - 全長: 6.78 m
• - 全幅: 9.72 m
• - 全高: 2.80 m
• - 主翼面積: 23.0 m²
• - 自重: 430 kg
• - 全備重量: 630 kg
• - エンジン: 石川島/シラス II 空冷直列4気筒（最大90 hp）× 1
• - 最大速度: 146 km/h
• - 巡航速度: 120 km/h
• - 実用上昇限度: 5,000 m
• - 航続距離: 420 km
• - 乗員: 2名

このように、R-2は陸軍への供給を意図して開発されましたが、最終的には実用性との兼ね合いで採用されることはありませんでした。石川島飛行機の初期の航空機設計における挑戦としての位置づけがされていると言えるでしょう。参考文献として、野沢正氏の『日本航空機総集』が挙げられます。

もう一度検索