R-24 (ミサイル)

R-24空対空ミサイル

概要

R-24（ロシア語: Р-24）は、ソ連で開発された中射程空対空ミサイルです。このミサイルは、主にMiG-23の後期型に搭載され、NATOではAA-7「エイペックス」と呼ばれています。R-24は、セミアクティブ・[[レーダー・ホーミング]]誘導と電波指令誘導を組み合わせた工夫により、優れた射程と命中精度を持つことが特徴です。

背景

ソ連初の中距離空対空ミサイルであるR-23の開発は、アメリカのAIM-7Fスパローミサイルに対抗するためのものでしたが、その開発では母機のレーダー性能の限界が課題でした。そのため、新しいミサイルの開発が必要とされ、R-24の設計が開始されました。1974年には、R-23の改良型として初の試作機が登場し、その後R-24へと発展しました。

開発と技術的特徴

R-24の開発中には、射程を延ばすために新しいナビゲーションシステムの導入が求められました。これに伴い、電波指令誘導が取り入れられ、ミサイルの発射位置が長く取れるように改善されました。1975年には、セミアクティブレーダー誘導に基づく自動誘導弾頭が開発され、射程は35kmから50kmに伸びました。また、主翼の設計も改良され、前進翼タイプが採用されました。

構造とバリエーション

R-24は、レーダー誘導型（R-24R）と赤外線誘導型（R-24T）の2つのバリエーションがあり、いずれも高い対誘導攪乱能力を持ちます。R-24は、サイズや重量の変更が行われ、より強力なエンジンが搭載されることで性能が向上しました。特に、赤外線誘導版であるR-24Tは、改良された赤外線探知機を装備しており、高度な照準誘導能力を持つことが特長です。

運用と実績

R-24は1981年に制式採用され、ミグ-23MLに搭載されて数回の実戦経験を積みました。特に1982年のレバノン内戦では、シリアのMiG-23MLがイスラエル軍の戦闘機を撃墜する等の成果を上げました。しかし、イラン・イラク戦争では、同ミサイルが期待されたほどの効果を示せず、評価には賛否が分かれました。加えて、アフガニスタンの戦闘でもR-24の使用は限定的であり、効果的な成果を残すには至りませんでした。

改良とその後

R-24には改良版のR-24Mが開発され、対誘導攪乱能力が強化されました。最終的に、R-24は1997年まで使用され続け、その後に新型ミサイルであるR-27にとって代わられました。R-24の開発における技術革新は後のミサイル開発、特にR-73の成功へと繋がりました。

結論

R-24はR-23と共にソ連空軍の空対空ミサイルとして重要な役割を果たしました。形式に見合う性能を持ちながらも、期待された戦果には差が見られたため、軍事的には一定の結果を残したものの、決定的な成功には至らなかったと言えます。

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