R-30 (ミサイル)

R-30「ブラヴァー」概要

R-30「ブラヴァー」（ロシア語: Р-30 «Булава»）は、ロシア連邦が開発した最新の潜水艦発射弾道ミサイルです。このミサイルは「ブラヴァー」とも呼ばれ、ウクライナのコサックの権威を象徴する棒状の武器を指します。開発中はSS-NX-30という呼称が使用され、実戦配備後はSS-N-30として知られています。

開発の背景

元々、ボレイ級原子力潜水艦には、R-39UTTkhバルクという固体燃料を使用した弾道ミサイルが搭載される計画でしたが、ソ連の崩壊後に予算の縮減が影響し、開発は頓挫しました。1990年代には幾度かの発射テストも行われましたが、全て失敗に終わりました。

その後、モスクワ熱技術研究所が陸上用弾道ミサイルを基に改良を加え、潜水艦発射用のブラヴァーが開発されることとなりました。1998年に国防省と海軍がバルクの開発中止を決定し、ブラヴァーの開発にシフトしたのがこの経緯です。開発にあたっては、タイフーン級原子力潜水艦TK-208が実験プラットフォームとして改造されました。

ブラヴァーはトーポリMをベースにしており、最大で10個の核弾頭を搭載でき、射程は8,000から10,000キロメートルに及ぶとされています。ミサイルの生産は、ヴォトキンスクにある国営企業「ヴォトキンスキー・ザヴォード」によって行われており、2013年にボレイ級潜水艦の1番艦「ユーリイ・ドルゴルーキイ」が就役すると同時に、実戦配備が開始されました。

発射テストの経過

ブラヴァーの発射テストは、2005年から始まりました。最初の数回は成功を収めましたが、その後数回は失敗が続きました。特に2006年には、3度の発射テストが全て失敗に終わり、ロシアの核戦力整備計画への懸念が広がりました。

国防相セルゲイ・イワノフは、議会において発射失敗は想定内であり、ブラヴァーはまだ実戦配備されていない状態であることを指摘しました。彼はソ連時代のミサイル開発の経験を引き合いに出し、発射テストは何度も繰り返されるものであり、失敗は付き物だと強調しました。

その後も、2007年からは成功した発射テストが増え、2011年までに水中からの多数の発射が行われました。特に2011年12月には、ボレイ級原子力潜水艦「ユーリイ・ドルゴルーキイ」からの連続発射が成功し、ブラヴァーの信頼性が向上しました。

登場作品

「ブラヴァー」は、ゲーム『GHOST RECON ALPHA / ゴーストリコン フューチャーソルジャー』にも登場し、ストーリーのキーアイテムとして扱われています。この作品では、核弾頭が関与する緊迫した状況が描かれ、ミサイルの重要性が強調されています。ゲーム内では、核爆発の危機が一連の事件を通じて描かれており、ブラヴァーの象徴的な存在感を示しています。

結論

R-30「ブラヴァー」は、ロシアの新しい戦略的能力の象徴であり、開発と実験が国際的な軍事戦略に影響を与える重要な要素となっています。今後の発展と運用の実績が期待されるミサイルシステムです。

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