R-37 (ミサイル)

R-37 空対空ミサイル

R-37（ロシア語: Р-37、K-37）は、ロシア連邦のヴィーンペル科学製造連合によって製造された長距離空対空ミサイルであり、NATOのコードネームはAA-X-13（R-37）、AA-13 Arrow（R-37M）です。このミサイルはMiG-31Mを主な運用機として開発され、R-33を基に改良されました。最初に開発が始まったのは1983年で、数度の試験を経て、1994年には304km離れた目標に命中する実績を持っています。

開発の経緯

R-37の開発は1983年にMiG-31M向けとして始まりましたが、経済的な理由から開発は遅延しました。1989年には誘導装置のテストも始まり、1994年には成功を収めました。しかし、ウクライナの独立によりコンポーネントが供給されなくなり、国産化が求められるなど、開発が困難を極めました。

1997年にはMAKSで展示されましたが、開発は1998年に停止。その後、2006年から開発が再開され、改良型が登場しました。R-37Mとして知られるこの改良型は2014年に正式に採用され、2016年からの製造が予定されました。さらに、2018年には試験が完了したことも発表されました。

特徴と性能

R-37は、R-33をベースにした改良型で、オートパイロットやアクティブ・レーダー・ホーミングなどの初期技術を継承しています。中間航程では慣性誘導が用いられ、終端航程ではセミアクティブ・レーダーやアクティブ・レーダー・ホーミングが行われます。射程は最大で400kmに及び、敵の迎撃を難しくする設計となっています。

特に、R-37はAIM-54 フェニックスよりも大きく重いミサイルであり、主に爆撃機の迎撃やAWACSを遠距離から狙うことを目的としています。ミサイルはAKU-410-1およびAKU-620ランチャーから発射され、最大8Gの機動性を持つことから、様々な状況に対応する能力があります。

運用の実情

R-37の運用には、高性能なレーダーや哨戒機との連携が不可欠です。最近のいくつかの戦闘では、R-37を装備したMiG-31BMがウクライナ空軍の戦闘機を撃墜したとの報告があり、その戦果からも運用の有効性が示されています。対空の作戦には、地対空ミサイルの射程外からの哨戒が重要です。

派生型

• - R-37: 基本型であり、試験で使用されたものの量産には至らなかった。
• - R-37M: 初めて量産された型。投棄式ロケットブースターを装着し、射程を延長可能。
• - R-37ME（RVV-BD）: 輸出用の改良モデル。
• - Izdeliye 810: R-37Mを基にし、Su-57の搭載に適した改良型。

R-37シリーズは、MiG-31MやSu-35Sなど、様々な機体に搭載可能であり、その高い射程と精度から今後の空戦においても重要な役割を果たすと考えられています。

もう一度検索