R-TYPE LEO

『R-TYPE LEO』（アールタイプレオ）は、1992年 12月にアーケードゲームとしてアイレムからリリースされた横スクロールシューティングゲームです。本作の開発はアイレムではなく、ナナオが担当し、アイレムが販売を手がけるというユニークな経緯を持っています。

概要

「その名はレオ。」「アノ地球（ホシ）ヲ、コワスタメ。」という印象的なキャッチコピーが掲げられた本作は、人気シリーズ『R-TYPE』の外伝にあたります。本家シリーズの世界観とは異なる平行世界を舞台としており、そのためシリーズ共通の敵であるバイドは登場しません。プレイヤーが対峙するのは、「機械生物」や「機械生命体」と呼ばれる独自の敵性存在です。この世界観の違いから、バイドに対抗するために開発されたシリーズの象徴ともいえる兵器、フォースや波動砲も本作には存在しません。これらを廃し、代わりに「サイビット（Psy・Bit）」と呼ばれるサポート兵装を主軸としたゲームシステムが構築されています。また、シリーズ作品で唯一、2人同時協力プレイに対応している点も特筆すべき差異です。音楽も比較的明るいトーンの楽曲が多く用いられており、ゲーム全体の難易度も、他のR-TYPE作品に比べると比較的遊びやすい調整がされている印象です。

ストーリー

R-TYPE本編の歴史とは異なる時間軸に存在する平行世界の地球圏が舞台となります。この世界の人類は、第二の地球として人工惑星「エデン」を開発しました。しかし、完成したエデンは原因不明の異常を引き起こし、その防衛システムが人類自身に攻撃を開始します。人類は、暴走したエデンを破壊するため、2機の特殊機体「LEO」を投入。後に「エデン・パラドックス」と呼ばれることになる戦いが幕を開けます。

システム

基本的な操作は、レバーによる移動とショットボタン1つで行います。ゲームの進行は、特定の位置に配置されたアイテムキャリアを破壊し、中から出現するアイテムを取得して自機をパワーアップさせることで有利に進められます。アイテムキャリアの設置場所や出現するアイテムの種類は固定されています。

サイビット

本作の中心的なシステムとなるのが「サイビット」です。サイビットを装備していない状態でレーザークリスタルを獲得すると、自機の上下に1基ずつ同時に取り付けられます。サイビットは敵の体当たりや通常弾を防ぐ防御壁としても機能します。ショットボタンを押すと、サイビットも自機と同様の弾を発射しますが、連射性能は自機に劣ります。操作レバーの入力方向とは逆向きに、サイビットの攻撃方向を前方または後方に切り替えることも可能です。

サイビットを装備している状態でショットボタンを押し続けると、「サイビットサイファ」と呼ばれる特殊なサーチ攻撃が発動します。サイビットは自動的に最も近い敵に向かって突進し攻撃を行います。この際、画面下部に表示される専用のゲージを消費し、ゲージが尽きるとサイビットはその場に静止してしまいます。しかし、ショットボタンを離すことでサイビットは即座に自機の上下に戻り、再びサーチ攻撃が可能になるまでゲージが回復を始めます。サイビットサイファ中は自機は移動できますが、メインショットの発射はできず、一時的に無防備に近い状態となるため、使用タイミングが重要となります。

レーザー

サイビットを装備している状態でさらにレーザークリスタルを取得すると、自機とサイビットからレーザーを発射できるようになります。レーザークリスタルはR-TYPEシリーズと同様に赤、青、緑の3種類があり、取得せずに放置しておくと、赤→青→緑→赤…の順に色が変化します。レーザーはクリスタルを取得するごとに最大3段階まで強化されます。

レッドオプティック (赤): 自機からは操作レバーの上下入力に合わせて軌道が誘導される赤い直線レーザーを発射。サイビットからは、上下のサイビット同士が交差するように飛ぶ短い螺旋状レーザーを放ちます。自機からのレーザーはショットボタンを連打することで途切れなく発射されます。
ブルーサンダー (青): 自機からは敵や地形に当たると反射する青い矢状の短いレーザーを発射。最大パワーアップ時には、正面のレーザーが地形に当たると分裂して反射するようになります。サイビットからは自機と同様のレーザーが斜め方向に放たれます。
グリーンアロー (緑): 自機からは敵のX座標と一致すると直角に曲がる水平方向のレーザーを発射（自機中央から発射されるものは直進のみで曲がりません）。パワーアップにより一度に発射される本数が増加します。サイビットからは同じタイプのレーザーが1本ずつ発射されます。

その他のアイテム

ミサイル (M): アイテムを取得すると、自機の上下斜め方向にミサイルを発射します。ミサイルは敵のY座標と一致すると軌道が変化し、高速で直進します。
スピード (S): アイテムを取得するたびに、自機の移動速度が段階的に上昇します。

開発経緯とシリーズとの関係

本作は、開発元のナナオが企画・開発し、アイレムが販売を担当するというやや特殊な成り立ちを持っています。当初は『R-TYPE』とは全く関係のない別のゲームとして開発が進められていたという逸話が残されています。アイレムが販売を引き受ける際、当時の事業部が単独の新作としてはセールス面で決定的な後押しが不足していると懸念し、急遽『R-TYPE』のタイトルを冠することで、ブランド力による販売強化を図ったとされています。

移植版

いくつかの移植版が存在しますが、入手性や再現度には注意が必要です。

クラウドゲームサービス『G-cluster』にて海外版が配信されていましたが、2018年5月31日にサービスを終了しています。
2018年にJNNEX社が発売した復刻ゲーム機『レトロビットジェネレーション4』に収録されていますが、動作速度が不安定でサウンドが途切れるなど、ゲームの再現度に大きな問題を抱えています。
DotEmu社が開発・販売した海外版PCゲームソフト『IREM ARCADE HITS』にも海外版が収録されています。これにはパッケージ版とダウンロード版が存在しましたが、現在ダウンロード版はmac app storeでのみ比較的安価で購入可能となっており、Windows版はかつてSteamなどで販売されていましたが、現在は購入できません。

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