RAINBOW RAINBOW

アルバム『RAINBOW RAINBOW』の概要

1984年4月21日、TM NETWORK|TM_NETWORKのデビューアルバム『RAINBOW RAINBOW』がEPIC・ソニーからリリースされました。この作品は、音楽ユニットが持つ多様な音楽性を感じさせるエレクトロ・ポップを基盤に、ラップやAOR（アダルト・オリエンテッド・ロック）など多様な音楽要素を取り入れています。アルバムのタイトルは、「虹の7色を超えたさらなる多様性」を目指す気持ちから名付けられました。

制作背景と録音

TM NETWORK|TM_NETWORKは、宇都宮隆と木根尚登を中心に結成され、特に小室哲哉がプロデューサーとして全面的に関与しました。小室は以前、ロックバンドSPEEDWAYに在籍しており、音楽のジャンルを越えて新しい形を模索していました。彼は1983年に自費でスタジオを借りてデモテープを制作し、その斬新さを評価された結果、15社のレコード会社と契約する運びとなります。アルバムの録音は1983年10月から1984年2月にかけて行われ、CBSソニー六本木スタジオやスタジオジャックスが使用されました。

録音には独特な工夫が必要とされ、小室は基本的にシンセサイザーを主に使用しながらも、数名の楽器奏者を招いて生の演奏も交えて録音しました。また、音質に工夫を凝らすため、ミキシング・コンソールを通さずに直接テープレコーダーに録音することもありました。その結果、アルバムには様々な実験的な音作りが反映されることとなります。

音楽性と楽曲解説

全体を通じて、小室はエレクトロ・ポップに挑みましたが、最初の曲「カリビアーナ・ハイ」では、ピコピコした音だけではなく生演奏を選びました。この曲は、聴く人にとって分かりやすいアルバムの導入部として位置づけられる一曲です。続いての「クロコダイル・ラップ」は、ラン・D.M.Cやビースティー・ボーイズに影響を受けたラップスタイルの楽曲で、これまでのTM NETWORK|TM_NETWORKのスタイルとは異なるリズムを取り入れました。

アルバムの再構築やアレンジにも工夫が凝らされ、例えば「RAINBOW RAINBOW」では、キーボードを担う予定だった小室が体調を崩したため、木根が代役として演奏したエピソードが特筆されます。このようなプロセスを経て、それぞれの楽曲が持つ独自のメロディやリズムが生まれました。また、リリース後には「金曜日のライオン」と「1974」がシングルとしても広く知られることとなります。

アートワークとリリース

アルバムのアートワークは、ワニのお面を被った少女のジャケットが特徴的で、アーティスト自身の登場がないという点が話題を呼びました。これにより、TM NETWORK|TM_NETWORKのデビューアルバムは業界の注目を集め、シングル・アルバムの同時リリースという形でのデビューが大きな話題となりました。

批評と評価

音楽界からの評価も高く、 CDジャーナルや音楽解説者たちは、当アルバムが持つ革新性や魅力に賛辞を送っています。特に小室のサウンドプロダクションや、宇都宮の安定したボーカルが評価され、音楽的なセンスが随所に感じられる作品として位置づけられました。
このアルバムの影響はその後のTM NETWORK|TM_NETWORKの音楽活動にも大きく関わっており、カリスマ的な存在感として名を馳せるきっかけとなったのです。

結論

『RAINBOW RAINBOW』は、TM NETWORK|TM_NETWORKの音楽キャリアの基盤を築く重要な作品であり、実験性や多様性に富んだ音楽性が特徴的です。このアルバムを通じて、音楽シーンに新たな風を吹き込んだことは間違い無いでしょう。

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