RAM MK3

RAM MK3: 装輪式偵察装甲車

概要

RAM MK3は、イスラエルのエアロスペース・インダストリーズRAMTA部門で開発された装輪式偵察装甲車です。この車両は、1975年に開発されたRBY偵察装甲車を基にした三世代目の改良型であり、別名RAM-2000としても知られています。

この装甲車は、イスラエル国防軍では正式には採用されていませんが、その設計は機動性と防御力を兼ね備えつつ、経済的な導入や維持費用も重視されています。そのため、中南米やアジア、アフリカのいくつかの国の軍隊や警察で広く採用されています。特に、インドではマヒンドラ・ディフェンス・システムズによるライセンス生産が計画されており、インド軍への提案もされています。

車両の特徴

RAM MK3の構造は、エンジン、変速機、トランスファーが車体の後部に配置されています。これにより、メンテナンス性が向上し、低姿勢でありながらも広い前方視界を確保することができます。また、一般的な構造とは異なり、モノコック構造の装甲車体に走行装置を取り付ける形になっており、これにより防御力と軽量化のバランスを実現しています。さらに、この車両はC-130などの中型輸送機での空輸も可能です。

走行装置の仕様や装備は、利用する国の要求に応じて多様に変更できるため、少量の生産にも柔軟に対応できる点も特徴の一つです。2012年の兵器見本市では、南米市場向けにLAHAT対戦車ミサイルの派生型として提案されたニムロッドSRの4-8連装発射機を搭載したモデルが展示され、注目を集めました。

運用国

RAM MK3は、多くの国で運用されています。例えば、カメルーンでは2008年に大統領警護用に5両が導入されました。チャドでは、2006年から2008年にかけて42両を導入し、チャド内戦での使用が報告されています。

他の運用国には、ボツワナ、コンゴ民主共和国（2両）、ガボン（7両）、レソト（2006年に6両）、マラウイ（2024年時点で8両を保有）、モロッコ、ペルー（2016年に7両を導入）、セネガル（55両を陸軍と憲兵隊に配備）などがあります。特に、セネガルでは国連のコートジボワール活動での使用も確認されています。ベトナムでは2006年に150両が発注され、2009年に納入されました。これらの車両はSWAT部隊や憲兵隊、麻薬取締部門などで運用されています。

結論

RAM MK3は、その優れた機動性と防御力を持ち、多様な運用国で採用されている装輪式偵察装甲車です。各国のニーズに応じた改良が可能であり、今後もその運用が拡大することが期待されます。

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