RB (航空機)

バッド RB-1（Budd RB-1）

バッド RB-1、通称コネストガは、第二次世界大戦中にアメリカのバッド社によって開発された輸送機です。この機体の設計には、アメリカ陸軍と海軍の共同開発の取り組みが反映されており、1942年8月から開発が始まりました。初飛行は1943年10月31日で、その2ヶ月後の1944年3月11日に初号機が正式に海軍に引き渡されました。

機体の特徴と設計

RB-1は、アルミニウム合金の供給不足を受けて、機体全体をステンレス鋼で製造するという珍しい方法が採用されました。これは、当時の航空機製造において通常用いられるアルミニウムと異なる素材で、資源管理の面では有利でしたが、工作が難しく、機体の製造とコストに悪影響を及ぼしました。

この輸送機は、C-47の後継機として期待されていたこともあり、外翼後縁やフラップは布張りにすることで軽量化が図られました。搭載されるエンジンはP&W R-1830-92という双発のレシプロエンジンで、各エンジンの出力は1,050 hpであり、十分な性能を持っていました。デザイン的には、肩翼配置の主翼と三点式の着陸脚を備え、地上高を低く保つことができる構造になっています。また、バックドアの部分にはハーフトラックなどの大型荷物を自力で機内に入庫できるように工夫されていました。

開発と生産の経緯

最初の発注は、海軍が200機、その後陸軍が600機の発注を行いました。しかし、ステンレス鋼の加工が複雑であったため、製造が遅れ、また施工費用も当初の見積もりを大幅に上回ることになりました。初飛行から約半年遅れた1944年3月になってようやく海軍に引き渡されたものの、資源不足の懸念が消えたため、陸軍の契約はキャンセルされる結果となりました。

海軍向けに完成した機体は26機のみで、その中の17機が軍に引き渡され、残りは民間に売却されました。実戦で使用されることなく戦争が終了し、余剰機体は一部が民間輸送会社に引き継がれました。

現在の状況

現在、アリゾナ州ツーソンのピマ・エアーミュージアムに現存するRB-1の1機が展示されていますが、損傷が著しく、その姿はかつての輝かしさを失っています。それでも、バッド RB-1は、第二次世界大戦時の航空機開発の多様性と挑戦を象徴する存在として、今なお航空機ファンや歴史愛好家にとって興味深い機体となっています。

技術的なスペック

• - 全幅: 30.48 m
• - 全長: 20.73 m
• - 全高: 9.4 m
• - 翼面積: 130.2 m²
• - 機体重量: 15,354 kg
• - エンジン: P&W R-1830-92（空冷14気筒レシプロ星型）
• - 最大速度: 317 km/h
• - 航続距離: 2,880 km（最大）、6,400 km（増加タンク装備時）
• - ペイロード: 4,280 kg
• - 乗員: 2名 + 兵員28名または担架24個

バッド RB-1は、航空機史において、技術的な挑戦と戦争の影響を色濃く反映した特異な機体の一つです。

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