RBCエリアレポート

『RBCエリアレポート』は、琉球放送（RBCテレビ）によって1976年 10月12日から2004年 4月2日まで、平日夕方に放送されていた地域密着型の報道番組です。約27年半にわたり、沖縄県内で発生した様々なニュースや社会の動きを、視聴者へ分かりやすく、そして深く伝えることを目指しました。

番組の意義と歴史的背景

沖縄県において、夕方の時間帯に本格的なローカルニュース番組が始まったのは本番組からと言えます。それ以前、日本復帰直後の1972年には昼の時間帯に『RBCニュースショーこんにちは沖縄』という試みがありましたが、これは短期間で終了しました。こうした背景の中、『RBCエリアレポート』は日々の県内ニュースを丁寧に解説するスタイルを確立し、多くの視聴者から強い反響を得ました。その成功は、沖縄県内の他のテレビ局にも大きな影響を与え、各局が夕方のニュース番組を充実させるきっかけとなったと評価されています。

また、琉球放送による先島諸島（宮古島、石垣島など）への直接的なテレビ放送が始まる1993年 12月以前の期間は、本番組は現地のケーブルテレビ局である宮古テレビや石垣ケーブルテレビを通じて、翌日の昼前に時間をずらして放送されていました。

放送時間と形式の変遷

番組の放送時間は、その歴史の中で何度か変更されました。

1976年10月 - 1984年9月: 18:00 - 18:30 （30分枠）
1984年10月 - 1986年9月: 17:45 - 18:30 （45分枠に拡大。放送開始時刻が15分繰り上げ）
1986年10月 - 1990年3月: 18:00 - 18:30 （再び30分枠に戻る）
1990年4月 - 1997年3月: 18:30 - 19:00 （全国ニュース『JNNニュースの森』開始に伴い、その直後の時間帯へ移動。この時期、天気予報枠は『ヤン坊マー坊天気予報』に変更）
1997年4月 - 2000年3月: 17:55 - 19:00 （65分枠に大幅拡大。『JNNニュースの森』を番組内に内包。17:55からの最初の5分間は「RBCエリアフラッシュ」というタイトルで放送）
2000年4月 - 2002年3月: 18:19 - 19:00 （『JNNニュースの森』の開始時刻変更に伴い、「RBCエリアフラッシュ」枠を廃止）
* 2002年3月 - 2004年 4月2日: 18:16 - 18:50 （放送枠が縮小）

主な出演者

番組のキャスターは、日々のニュースを伝える重要な役割を担いました。初代メインキャスターは、琉球放送の報道記者であった稲福健蔵氏が務めました。稲福氏は、沖縄がアメリカの統治下にあった1969年にTBSへ派遣され、『JNNニュースデスク』の初代メインキャスターを務めた経歴も持ちます。番組最終回の放送では、稲福氏が番組開始初期に手掛けた、アメリカ軍基地返還後の那覇の様子を捉えた取材映像の一部が改めて紹介されました。

他にも、仲村一夫氏、新屋敷二幸氏、阿波連本紀氏、土方浄氏、比嘉京子氏、比嘉俊次氏といった面々がキャスターを務めました。土方氏と比嘉俊次氏は、本番組の終了後に開始された後継番組『RBCライブi』でも引き続きキャスターを担当し、比嘉俊次氏はさらにその後の『RBC THE NEWS』でもキャスターを務めるなど、長きにわたり琉球放送の報道番組に携わりました。

オープニングと番組演出

番組の始まりを飾ったのは、木琴と笛の音色をアレンジした、印象的で軽快なテーマソングでした。初期のオープニング映像では、「RBC」「エリア」「レポート」という番組タイトルロゴの文字が画面上で左右に移動するユニークな演出が見られました。また、番組のオープニングやエンディングでは、琉球放送社屋近くの国道58号松山交差点に設置されたお天気カメラからの映像が頻繁に映し出されていました。オープニング映像は時代と共に変化し、オリジナルCGやニュース映像を背景とするものも使われましたが、エンディングの提供クレジットは画面下中央に表示され、アナウンスは原則として行われませんでした。

ラジオ版『RBCラジオエリアレポート』

テレビ版と並行して、1980年代半ばから1997年までの期間、RBCラジオでも『RBCラジオエリアレポート』という名称でラジオ版の番組が平日夕方に放送されていました。初期の放送時間は17:00から17:30でしたが、後に『小沢昭一の小沢昭一的こころ』や『ネットワークTODAY』といった他番組の時間変更に伴い、17:45頃から18:10頃へと移動しました。通常、ラジオ版とテレビ版の放送時間が重なることはありませんでしたが、特別な編成が組まれた際には一時的に重複するケースもありました。また、ラジオ版の提供スポンサーは、テレビ版のように番組全体ではなく、コーナーごとに付く形式が取られていました。

番組の終焉と後継

『RBCエリアレポート』は、沖縄の夕方ニュースの一時代を築いた番組として、2004年 4月2日に最終回を迎え、約27年半の歴史に幕を下ろしました。その後、2004年4月からは、放送枠を拡大し、内容を刷新した後継番組として『RBCライブi』（後に『RBCニュースライブi』へ改題）がスタートし、琉球放送の夕方の報道体制は引き継がれていきました。

もう一度検索