RED HILL

アルバム『RED HILL』について

『RED HILL』（レッド・ヒル）は、CHAGE and ASKAの16枚目となるオリジナルアルバムで、1993年10月10日にポニーキャニオンから発売されました。本作の特徴は、音楽の多様性と商業的成功にあり、作詞・作曲者のASKAはこのアルバムの制作に特別な思い入れを持つことを公言しています。

リリースの背景

本アルバムは、前作『GUYS』から約11ヶ月後にリリースされました。発売の数ヶ月後に「You are free」と「なぜに君は帰らない」がシングルカットされ、これらはアルバムの紹介を目的としたものであり、音楽ランキングでの記録にはあまりこだわっていないとのことです。

音楽性と評価

『RED HILL』では、ロック、ブラックミュージック、レゲエ、ジャズ、ア・カペラなど、幅広いジャンルが取り入れられています。ASKAは、アルバム制作を通じて自然なバリエーションを表現できたことを評価しています。音楽雑誌のCD Journalでは、当時の不安や希望などの感情が込められた作品と評されています。

ツアーの重要性

本作の発売日は、コンサートツアー『史上最大の作戦 THE LONGEST TOUR 1993-1994』の初日でもありました。このツアーは約半年間で70公演行われ、その中から11曲が選曲されたことも注目に値します。翌年の1994年には、このツアーの延長線上で初の海外公演が香港、シンガポール、台湾で開催されました。

商業的成功

オリコンの集計によると、このアルバムは156.6万枚の売上を記録し、オリジナルアルバムとしては『TREE』から3作連続のミリオンセラーとなりました。また、本作の成功によって自身のアルバム総売上が1000万枚を突破し、ボーカルグループとしては初の快挙とされています。

収録曲の解説

アルバムは全体にわたり特異なトーンやテーマを持つ楽曲が収められています。特に「夜明けは沈黙のなかへ」はアルバムの序曲として位置付けられており、次曲との繋がりを意識した構成になっています。代表曲「RED HILL」は、当時の心境を「警告の状態」と表現し、制作過程で多くの試行が行われました。

また、「今夜ちょっとさ」は味の素のCMソングに利用され、レゲエ調の楽曲としても評価されています。ASKAの意図は「男が本能的にかわいいと思う女性」を描くことだったものの、最終的には男性の甘えを表現した歌詞となったとされています。

映像作品としての『RED HILL』

アルバムに基づくミュージックビデオ集は1994年に発売され、2020年にはDVDもリリースされました。この映像作品には、主に茨城県大子町で撮影された映像が収められています。

まとめ

『RED HILL』は、CHAGE and ASKAの音楽的な成長を感じることができる作品であり、さまざまな音楽スタイルを取り入れたアルバムとして、今なお多くのファンに愛されています。日本の音楽シーンにおける重要な一歩として位置づけられるこのアルバムは、彼らの音楽活動の探求を示す貴重な証となっています。

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