REDLINE

映画『REDLINE』の詳細

概要

『REDLINE』は、2010年10月9日に公開された日本のアニメーション映画で、マッドハウスが制作を手掛けています。この作品は、未来の宇宙を舞台にし、エアカーを駆使したカーレースが繰り広げられる物語です。

本作のキャッチコピーは「限界を超えろ」。SFカーアクションとして、非常にスタイリッシュで独特なアニメーションが展開されます。制作にあたり、7年という長い時間をかけており、手描きによる作画が10万枚以上も使用されました。監督である小池健は本作が初の長編アニメーション作品であり、原作と脚本を石井克人が手掛けました。小池は、海を題材にした他の作品での経験を生かし、独特のビジュアルスタイルを実現しています。

ストーリー

物語の核となるのは、五年に一度開催されるカーレース「REDLINE」です。勝者が銀河最速の称号を手に入れるこのレースでは、武器が搭載されることも認められています。物語の主人公JPは、武器を使わずに速さのみで勝つことに固執している純情な男です。彼の相棒、フリスビーはJPの夢を知りつつも、八百長レースのために彼を敗退させるための策を巡らせなければなりません。しかしJPは、どんな困難が待ち受けていようとも走り続ける決意をします。

物語は、独裁国家「ロボワールド」がレッドラインの開催地として決まったことから波乱を迎えます。参加者の棄権が相次ぐ中、なんとJPも視聴者投票によって出場権を得ることに。彼のエモーショナルな挑戦が始まります。

キャラクター

登場人物には、木村拓哉が声を担当するJPのほか、蒼井優や浅野忠信、津田寛治などが名を連ねています。JPはリーゼントと皮ジャンがトレードマークのレーサーで、レースの名誉を賭けて仲間たちと共に戦います。
フリスビーはJPと共にレースの準備を進め、彼を守ろうとしますが、八百長の道を選ぶことに心の葛藤があります。さらに、独特な背景を持つキャラクターたちが多く登場することで、物語に深みが増します。

制作背景

本作の製作は公開の7年前から始まり、石井克人がカーレースをテーマにしたいと考えたのがきっかけです。当時、アメリカで人々が映画ではなく車いじりを楽しむ様子を見た体験が影響しています。このプロジェクトには小池健が参加し、アニメーションのスタイルを自由に追求できる点に魅力を感じたと述べています。

特に、映画は恋愛と友情がテーマになっており、主人公たちの関係性が丁寧に描かれています。石井はこの物語を通じて、視聴者に感情の深さを届けることを目指しました。

公開と評価

公開は2010年10月9日。全国約60館で上映され、興行的にも成功を収めました。国内外の映画祭でも多数の賞を受賞し、特にヨーロッパでの評価が高かったことが印象に残ります。2021年には公開から10周年を迎え、リバイバル上映も行われました。

このように、『REDLINE』は個性的なビジュアルと強烈なストーリー、深いキャラクター描写によって、多くのファンの心を掴んでいます。映画ファンやアニメファン、さらにはカーレース好きにとっても魅力的な作品です。

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