REG‐ストライクス・バック

REG‐ストライクス・バック（Reg Strikes Back）

エルトン・ジョンが1988年に発表したアルバム「REG‐ストライクス・バック」は、彼にとっての復帰作として特別な意味を持つ作品です。このアルバムは、長年の激しい活動によって痛めた喉の治療後にリリースされたもので、前述の年にはライブアルバムが発表されていましたが、スタジオアルバムとしては本作が復帰作となります。

アルバムタイトルの「REG」はエルトンの本名に由来しており、同時に「REGの復讐」という意味合いも含まれていると言われています。このタイトルは当時彼が抱えていた離婚問題や、それに伴うメディアの執拗な取材に対抗する意図を含んでいるとも考えられています。さらに、アルバムジャケットにはこれまでの華やかなステージ衣装が積み重ねられた画像が使われており、エルトンが持っていたスキャンダラスなイメージとの決別を示唆しているとも解釈されています。これらの衣装は、チャリティオークションを通じて今もなお処分されているのです。

このアルバムには、「アイ・ドント・ワナ・ゴー・オン」といった楽曲が収録されており、キーボードのサウンドが際立っています。この曲は、エルトンのライブパフォーマンスでも定番の一つとなっており、多くのファンに愛されています。また、アルバムには電子音を多用した音作りが施されており、当時の音楽シーンの影響を色濃く反映しています。「モナ・リザ〜（パートII）」は、彼の1972年のアルバム『ホンキー・シャトー』に収録された楽曲の続編でありながら、前作とは異なりアップテンポで仕上げられています。この楽曲もニューヨークをテーマにした作品ですが、よりリズミカルで活気に満ちています。

アルバムにはゲストミュージシャンとしてピート・タウンゼントが参加しているのも大きな特徴です。彼のギターが加わることで、楽曲にさらなる深みが増しています。

1998年にはリマスター盤が登場し、オリジナル盤には収録されていなかったシングルや12インチシングルのB面楽曲が追加されました。これにより、アルバムの魅力がさらに広がっています。

収録曲一覧

1. タウン・オブ・プレンティ - Town of Plenty
2. ワード・イン・スパニッシュ - A Word in Spanish
3. モナ・リザ・アンド・マッド・ハッターズ（パートII） - Mona Lisas and Mad Hatters (Part Two)
4. アイ・ドント・ワナ・ゴー・オン - I Don't Wanna Go On With You Like That
5. 古都の追想 - Japanese Hands
6. グッバイ・マーロン・ブランド - Goodbye Marlon Brando
7. カメラはすべてをお見通し - The Camera Never Lies
8. ヘヴィ・トラフィック - Heavy Traffic
9. プアー・カウ - Poor Cow
10. 女はかくも有難きもの - Since God Invented Girls

ボーナストラック

• - ロープ・アラウンド・ア・フール - Rope Around a Fool
• - アイ・ドント・ワナ・ゴー・オン（シェップ・ペティボーン・ミックス） - I Don't Wanna Go On With You Like That (Shep Pettibone Mix)
• - アイ・ドント・ワナ・ゴー・オン（ジャスト・エルトン・アンド・ヒズ・ピアノ・ミックス） - I Don't Wanna Go On With You Like That (Just Elton and the Piano Mix)
• - モナ・リザ・アンド・マッド・ハッターズ（パートII）（ザ・ルネッサンス・ミックス） - Mona Lisas and Mad Hatters (Part Two) (Renaissance Mix)

クレジット

• - 作詞: バーニー・トーピン
• - 作曲: エルトン・ジョン

このアルバムは、一時代を代表するエルトン・ジョンの音楽的な進化を象徴する作品であり、彼のキャリアにおける重要な一章を形成するものです。

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