RFUチャンピオンシップ

RFUチャンピオンシップ



RFUチャンピオンシップは、イングランドラグビーユニオンにおいて、トップリーグであるプレミアシップに次ぐ第2部の公式クラブリーグです。この大会は、イングランドラグビーの統括団体であるラグビー・フットボール・ユニオン(RFU)によって運営されています。

大会は、ホーム・アンド・アウェイ方式による総当たり戦を基本としています。原則として、シーズンの優勝クラブはプレミアシップへの昇格権を獲得し、最下位クラブは下位リーグであるナショナル・リーグワンへの降格となります。しかし、近年は昇格に関する厳しい規定、特にスタジアムの収容人数や安全基準を満たせないチームが多く、2021-22シーズン以降、優勝チームが連続してプレミアシップへ昇格できないという状況が続いています。現在の2024-25シーズンは12チームで争われています。

歴史



RFUチャンピオンシップの源流は、1987年にイングランドで初めて本格的なクラブリーグが創設された際にまで遡ります。当時、ビール会社のクール・ブリュワリーが冠スポンサーとなり、「クール・リーグ」の名で3つのレベルの大会が始まりました。現在のRFUチャンピオンシップにあたる第2部リーグは、「ナショナル・ディビジョン2」として発足し、当初は12チームで構成されていました。この時の上位2チームが、翌シーズンの第1部(現在のプレミアシップ)へ昇格しています。

1997-98シーズンからは、冠スポンサーが保険会社のアライド・ダンバーに変わり、「アライド・ダンバー・プレミアシップ2」に改称されました。その後、2000-01シーズンには再び「ナショナル・ディビジョン1」という名称に戻されました。

昇格基準の問題は比較的古くから存在しており、2001-02シーズンで優勝したロザラムは、当時のプレミアシップのスタジアム基準を満たせず、昇格を断念した初のケースとなりました。

2009-10シーズンには、「RFUチャンピオンシップ」へと名称が刷新され、プレミアシップに準じるプロフェッショナル大会としての性格を強めました。下位リーグはナショナル・リーグワンとなりました。2013-14シーズンから2020-21シーズンにかけての8シーズンは、ビールメーカーのグリーンキングが冠スポンサーとなり、「グリーンキングIPAチャンピオンシップ」として知られていました。また、2017-18シーズンから2019-20シーズンまでの3シーズンは、プレーオフが実施されず、レギュラーシーズンの成績のみで優勝および自動昇格が決まりました。

近年の状況と課題



2020年以降は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が大会運営に大きな影響を与えました。2019-20シーズンは途中で打ち切られ、成績は特別な方式で決定されました。2020-21シーズンは開幕が大幅に遅れ、参加チームが減少し、各チームとの対戦が1度のみとなる変則日程で行われました。このシーズンは下位リーグが中止されたため、降格はありませんでした。また、プレミアシップからの降格も一時的に停止されました。

コロナ禍を乗り越え、2021-22シーズンからは感染拡大以前のフォーマットに近い形に戻されましたが、このシーズンから2023-24シーズンまでの3季はプレーオフが実施されませんでした。そして、前述の通り、この期間を含む2021-22シーズン以降の4シーズン連続で、優勝チームがプレミアシップへの昇格基準(特にスタジアム収容人数10,000人以上や安全基準)を満たせず、昇格が実現しないという深刻な事態が続いています。イーリング・トレイルファインダーズは複数回優勝しながらも昇格できず、2022-23シーズンに優勝したジャージー・レッズは、昇格断念後に経営破綻、解散に至りました。2024-25シーズンでもイーリングが連覇を果たしましたが、基準を満たせず昇格できませんでした。

将来の展望:チャンプ・ラグビーへ



このような状況の中、大会は大きな変革を迎えます。2025-26シーズンから、大会名称が新たに「チャンプ・ラグビー(Champ Rugby)」に変更されることが決定しました。参加チーム数は現在の12から2チーム増え、14チームとなります。これには、2024-25シーズンのナショナルリーグワン優勝チームであるリッチモンドと、プロラグビー復帰を目指すウスター・ウォリアーズが加わります。大会方式も変更され、ホーム・アンド・アウェイで各チームと2度対戦する全26ラウンドのレギュラーシーズン後、上位6チームによるノックアウト方式のプレーオフが新たに導入されます。このプレーオフの優勝チームが、スタジアム基準などの要件を満たしている場合に限り、プレミアシップへの昇格権を得ることになります。この改革により、大会の競争力向上と将来的な昇格の可能性を巡る状況の変化が期待されています。

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