RILM

RILM（Répertoire International de Littérature Musicale）について

RILMは国際的な音楽文献の書誌目録であり、全世界で出版された音楽に関する学術的な著作物を体系的に集約することを目指しています。この組織は、音楽学者であるバリー・S・ブルックによって1966年に設立され、国際音楽学会と国際音楽資料情報協会（IAML）の共同事業として運営されています。

文献の多様性と範囲

RILMに収録されている情報は非常に多岐にわたり、新しい文献だけでなく、古い音楽文献も対象としています。現在、146カ国で発行された214種類の言語の文献が50万件以上登録され、その内容には、雑誌記事、書籍、文献目録、修士論文や博士論文、そして映画やビデオなどの多媒体が含まれています。また、手書き楽譜のファクシミリ版や民族音楽学的録音も採録されており、音楽に関するあらゆる形式の資料が対象となっています。

データベースの発展

RILMの主なデータベースである『RILM Abstracts of Music Literature』は、1967年から1999年まで印刷版として提供されていましたが、現在はオンライン形式の有料データベースとして運営されています。また、RILMは、1972年から1967年以前に刊行された文献に焦点を当てた主題別文献目録『RILM Retrospectives』や、RILM主催の会議での発表を収録した『RILM Perspectives』シリーズなど、さまざまな印刷物を刊行してきました。

国際的な組織体制

RILMは、48カ国以上に存在する国内委員会によって構成されており、各国の情報を国際センターに提供します。この国際センターは、ニューヨーク市立大学の大学院センターに設置されており、世界各国から集まった資料を翻訳、編集、インデックス化し、毎月更新されるオンラインデータベースに追加しています。国内委員会は、特定の国で発行された文献の選定やその抄録作成を担当しており、情報の国際的な共有の基盤を支えています。

日本におけるRILMの取り組み

日本国内においては、1967年に発足した音楽文献目録委員会がRILMの活動に参加しており、関連する音楽団体から選ばれた委員がその業務を行っています。さらに、RILMのデータベースに収録する文献を選定するだけでなく、より広範囲な日本語文献目録『音楽文献目録』を年度ごとに発行しています。このように、日本でも音楽文献に関する研究を推進し、国際的なデータベースに貢献しています。

まとめ

RILMは、音楽分野における重要な情報源として欠かせない存在であり、世界中の音楽学者や研究者にとって、貴重なリソースとなっています。音楽文献の集約と研究の深化を通じて、音楽文化を支えるとともに、国際的なネットワークを通じて音楽に関する情報交換を促進しています。

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