ROBOT (榊原郁恵の曲)

シングル「ROBOT」の詳細

榊原郁恵のシングル「ROBOT」は、彼女の17枚目のシングルとして1980年6月1日に日本コロムビアから発売されました。この曲は、当初はB面候補として検討されていましたが、最終的にはA面曲として選ばれたという経緯があります。最初のA面候補は「恋はう・ら・は・ら」であり、作曲を手がけた筒美京平の指導を受けながらレコーディングが行なわれました。

レコーディングのエピソード

榊原は、実際のレコーディング時に非常に緊張を感じていたと言います。しかし、リラックスして歌えた「ROBOT」の方が出来栄えが良かったと語っています。そのため、最終的に「ROBOT」がA面に決定しました。このように、偶然の産物とも言える楽曲が、聴く人々の心に残る名曲となったのです。

テクノの影響と制作プロセス

「ROBOT」を編曲した船山基紀によれば、筒美は「とにかくテクノでやってほしい」という要望を持っていました。1980年代初頭は、テクノポップと歌謡曲の融合が盛んに試みられた時代であり、YMO（イエロー・マジック・オーケストラ）などの音楽家たちによるテクノブームの影響が感じられました。この音楽的背景が筒美に影響を与えていたのかもしれません。

制作には「ローランドMC-4」というデジタルシーケンサーが使用されましたが、この機材は単音での打ち込みしかできず、1曲を制作するのに約1週間もかかるほどでした。しかし、「ROBOT」のバックトラックは、実際には田代マキ（現：矢嶋マキ）による手弾き演奏です。榊原は多忙なアイドル活動の中でレコーディングを行っていたため、時間が限られていました。そのため、キーボード担当の田代にシンセサイザーをテクノ風に弾いてもらうという工夫が生まれました。

船山はこの制作プロセスについて「『ROBOT』はテクノポップではありますが、全て手弾きの『人力テクノ』なんです。限られた時間の中でリクエストに応えるための苦肉の策だった」と振り返っています。これにより、当時のテクノブームを背景に持ちながらも、独自のスタイルを持った楽曲が完成したのです。

収録曲情報

シングル「ROBOT」には、以下の収録曲があります。すべての楽曲は作詞：松本隆、作曲：筒美京平、編曲：船山基紀が担当しています。

• - ROBOT（3分18秒）
• - 恋はう・ら・は・ら（3分44秒）

このように、榊原郁恵の「ROBOT」は、アイドル音楽とテクノの融合を試みた先駆的な作品として、今なお多くの人々に親しまれています。

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