RPS-420

インドネシア初の人工衛星打ち上げロケットRPS-420

インドネシア国立宇宙航空研究所(LAPAN)は、長年にわたる研究開発の成果を結集し、インドネシア初となる人工衛星打ち上げロケットRPS-420(Roket Pengorbit Satelit 420)の開発を進めていました。当初の計画では、2014年の初飛行を目指していました。

RPS-420は、LAPANが1964年から取り組んできた固体燃料観測ロケット開発の集大成と言えるものです。長年の経験と技術蓄積が、この国産ロケット開発の礎となっています。

ロケットの構成と諸元

RPS-420は、全長9.5mの2基の補助ブースターを備えた4段式ロケットです。全段に固体燃料を使用し、推進剤にはHTPB系コンポジット推進薬が採用されています。

ロケットの各段には、既存のロケットモーター技術が活用されています。第1段コアとブースター、第2段、第3段には、直径420mmの固体ロケットモーター(RX-420と同等)が、そして第4段には直径320mmの固体ロケットモーター(RX-320と同等)が使用される計画でした。

興味深いことに、RPS-420はL-4Sロケットと類似した設計を採用しており、1段目には誘導装置を搭載しない無誘導方式(重力ターン方式)で打ち上げられる計画でした。これは、コスト削減と信頼性向上を両立するための設計上の工夫と言えるでしょう。

開発計画

RPS-420の開発計画は、段階的に進められる予定でした。

2012年: 3段式ロケットによる弾道飛行試験の実施
2014年: 4段式ロケットによる人工衛星打ち上げ試験の実施

これらの試験を通じて、ロケットシステム全体の性能確認と信頼性向上を目指していました。

インドネシア宇宙開発における意義

RPS-420の開発は、インドネシアの宇宙開発において極めて重要な意味を持ちます。自国で開発したロケットによって人工衛星を打ち上げることは、宇宙技術の自立と国家としての威信向上に大きく貢献するからです。

このプロジェクトは、インドネシアの科学技術力向上、そして国際的な宇宙開発への貢献に繋がるものと期待されていました。長年の研究開発の成果を結実させ、宇宙開発における新たな一歩を踏み出そうとしていたインドネシアの挑戦は、今後の宇宙開発の歴史に大きな影響を与える可能性を秘めていました。

RPS-420計画は、インドネシアの宇宙開発における技術的基盤を構築し、今後の更なる発展のための重要な礎となるはずでした。 このプロジェクトを通じて培われた技術や経験は、将来のより高度なロケット開発や宇宙探査計画へと繋がるものと期待されていたのです。

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