RQ-7 (航空機)

RQ-7 シャドー200

RQ-7 シャドー200とは、アメリカ陸軍と海兵隊で使用される無人航空機（UAV）で、製造はAAIコーポレーションによるものです。その名前は英語で「影」や「幻影」を意味し、このUAVの用途が偵察に重きを置いていることを示しています。1991年に初めての飛行が行われ、その後1999年にRQ-6 アウトライダーが開発中止された後、アメリカ陸軍によって採用されました。

シャドーシステムは、無人航空機本体が4機、地上誘導ステーション（GCS）が2機、発進用トレーラーおよび支援用車両と人員から成り立っています。このシステムの中心をなすRQ-7 シャドー200は、単発のガソリンエンジンを搭載しており、発進時には専用のカタパルトから射出されます。また、着陸時には滑走路や空母艦載機のために設計されたアレスティングギアが活用されます。

この無人航空機は、ジンバル搭載の液体窒素冷却式電子光学および赤外線（EO/IR）カメラを装備しており、リアルタイムで撮影した映像をCバンドLOSデータリンクを通じて地上ステーションに送信できます。この機能によって、現場の状況を即座に把握することが可能になり、様々な作戦において貴重な情報を提供します。

RQ-7には、進化版としてRQ-7Bがあり、この機体では翼幅の拡張やアビオニクスの改良が施されています。また、シャドー600と呼ばれる大型モデルもあり、将来的にはSIGINT（信号情報収集）の機材搭載も計画されています。さらに、武装化の可能性も視野に入れており、ジェネラル・ダイナミクス製の81mm誘導迫撃砲弾やロッキード・マーティン製のシャドーホークレーザー誘導軽量滑空爆弾の投下実験が行われています。

操縦や整備に従事する兵士・民間人は、アリゾナ州フォートフュチュカにあるアメリカ陸軍無人航空機システム訓練大隊で教育されています。このプログラムにより、シャドー200の使い方や戦術的運用について熟知した人材が育成されています。

RQ-7 シャドー200は、アメリカ以外にもいくつかの国に採用されています。その国々にはオーストラリア、イタリア、パキスタン、ルーマニア、スウェーデン、韓国が含まれます。ただし、アメリカ海兵隊は2018年に退役し、RQ-21に移行しています。

スペック

• - 全長: 11.2 ft (3.41 m)
• - 翼幅: 14 ft (3.87 m)
• - 全高: 3.3 ft (1 m)
• - 空虚重量: 186 lb (77 kg)
• - エンジン: Wankel UAVエンジン741, 38 hp (28.5 kW)
• - 行動半径: 50-200 km（オプションのデータリンクによる）
• - 滞空時間: 5-7時間
• - 実用上昇限度: 15,000 ft (4,572 m)

今後のさらなる技術の進化や用途の拡大が期待されているRQ-7 シャドー200は、その高い性能から軍事・防衛の領域で重要な役割を果たしています。

もう一度検索