RSMインターナショナル

RSMインターナショナル：世界規模の会計事務所ネットワーク

RSMインターナショナルは、イギリス・ロンドンに本部を置く、世界で6番目に規模の大きい会計事務所ネットワークです。2020年度にはアメリカ合衆国において、ビッグ4に次ぐ第5位を記録するなど、世界的に高い知名度と信頼性を誇ります。

設立と歴史

RSMインターナショナルの起源は、1964年に設立された小規模な会計事務所ネットワーク「DRM」に遡ります。1993年、組織再編を経て現在の名称「RSMインターナショナル」へと改称されました。その名称は、創設メンバーファームであったロブソン・ロード（イギリス）、サルストロ・レイデル（フランス）、マックグラッドリー（アメリカ）の頭文字に由来しています。

しかし、創設メンバーファームのうち現在もRSMネットワークに所属する企業はマックグラッドリーのみとなりました。サルストロ・レイデルは2005年にKPMGに吸収合併され、ロブソン・ロードは2007年にグラントソントンと合併しています。その後もRSMインターナショナルは、合併や買収、提携解消などを経て、組織体制を変化させながら成長を続けてきました。イギリスにおけるメンバーファームは、ベントリー・ジェニソンの買収、RSM Tenonへの合併、そしてベーカーティリーによる買収を経て、2015年にRSM UKとして再始動しています。

現在、RSMインターナショナルは120カ国以上、760以上の拠点を持ち、アメリカ、ヨーロッパ、中東・北アフリカ、アフリカ、アジア太平洋の5つの地域に38,000人以上の従業員を抱える巨大なネットワークへと発展しました。

中国における展開と変遷

中国市場においては、RSMインターナショナルは当初、中瑞岳華会計師事務所と提携していました。しかし、2013年に国富浩華会計師事務所（クロウ系列）と合併し、瑞華会計師事務所が誕生しました。この合併により、一時的にPwC、デロイトに次ぐ中国第3位の規模にまで成長しました。

しかし、RSMとクロウの双方との提携関係が継続されたため、中国財務省の方針に抵触することになり、2018年にRSMとの提携を解消し、クロウ一本化へと舵を切りました。その後、瑞華会計師事務所は会計不正問題に巻き込まれ、クライアントの減少、従業員の大量流出に見舞われ、中国市場における地位は大きく低下しました。

RSMインターナショナルは、新たな中国における提携先として、クレストン・インターナショナルとの提携を解消した華普天健会計師事務所を選びました。瑞華会計師事務所の国際事業部のメンバーとクライアントの一部が移籍し、2018年12月には華普天健会計師事務所がRSMネットワークに加盟しました。その後、2019年6月には事務所名を容誠会計師事務所へと変更し、2020年には中国国内第11位の規模にまで成長しました。

日本における展開

日本においては、RSM清和監査法人が2009年にRSMネットワークのメンバーファームとして加盟し、監査業務を提供しています。税務業務は清和税理士法人、国際税務分野は税理士法人東京クロスボーダーズがそれぞれ担当しています。アドバイザリー業務は株式会社RSM東京共同FAS（現：株式会社東京共同FAS）が提供していましたが、2024年11月現在、RSMネットワークのコレスポンデントファームではありますが、RSMとしての取引は行っておらず、RSMネットワークのメンバーではありません。

2022年11月には、汐留パートナーズがRSM Internationalに加盟し、RSM汐留パートナーズに社名変更されました。同時に関連する5法人もRSMブランドに統一されました。

まとめ

RSMインターナショナルは、世界規模の会計事務所ネットワークとして、世界経済の発展に貢献し続けています。歴史的な変遷や中国、日本市場における展開、そして様々な提携関係を通して、世界的な影響力を拡大し続けていると言えるでしょう。今後もその成長は続くものと予想されます。

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