RU251

RU251（SpPz RU251）

概要

RU251、正式にはSpähpanzer RU251は、1960年代にドイツ連邦共和国において開発された偵察戦車です。本車両は、当時の連邦軍参謀本部によってM41軽戦車およびSPz1の置き換えを目的として設計されました。ハノマーグ社によって製造され、試作に留まるものの、偵察用としての役割を期待されたこの車両は、同時に西側諸国向けのアメリカ製軽戦車の代替品としての可能性も視野に入れた計画でした。

開発背景

RU251の開発は、当時の見解に基づき、敵国であるワルシャワ条約機構の軍隊がT-54やT-55などの中戦車を備えていることが判明したために必要とされました。試作車であるRU25-1は、1963年に完成しましたが、設計当初に想定された90mm砲ではそれらの敵車両に対抗するには不十分であると判断され、結果として105mm砲を備えた中戦車の必要性が強調されました。このことから、RU251の開発は中止となり、試作車両は現在でもドイツの博物館で見ることができます。

構造と機能

RU251のデザインは同時期に開発されたレオパルト1に非常に近く、レオパルト1をコンパクトにしたような形状をしています。砲塔は防弾鋳鋼製で一体型になっており、全体の装甲厚は周囲が20mm、防盾が30mm、天面は8mmでした。

武装

主武装には、ラインメタル社製のBK90 40口径90mmライフル砲を搭載し、副武装としてはMG3 7.62mm機関銃を主砲の同軸や砲塔のハッチに備えています。さらに、4連装の煙幕弾発射器を砲塔の側面に配置して、戦場での生存性を高める工夫がなされています。また、主砲基部には赤外線や白色光サーチライトの取り付けも可能です。ただし、視界を補助するための照準装置は、望遠鏡および潜望鏡式で、レオパルト1のような高性能の測距儀は装備されていませんでした。

車体

車体は溶接による防弾鋼板構造で、前面は30mm、側面が20mm、上面および底面が8mmとなっていました。前方左側には操縦席、右側には車体弾薬庫があり、デザイン上の工夫が見られます。エンジンルームは後方にあり、起動輪もそれに合わせて配置されているため、重心を低く保つ工夫がなされています。

乗員

RU251は、車長、砲手、装填手、操縦手の4名で構成されており、チームとしての機能も考慮された設計でした。

登場作品

RU251は戦闘ゲームにも登場しており、例えば「World of Tanks」や「War Thunder」ではプレイヤーが利用できる軽戦車として再現されています。

まとめ

RU251は短命であったものの、ドイツの軽戦車開発の最終章を飾る存在です。試作車両は現在、博物館にて保管され、かつての軍事技術の粋を伝える重要な遺産であります。その設計や武装を通じて、冷戦時代の戦術や技術の背景に触れる機会を提供してくれるでしょう。

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