Rance X -決戦-

Rance X -決戦-（ランス じゅう -けっせん-）

『Rance X -決戦-』は、2018年2月23日にアリスソフトから発売されたアダルトゲームであり、人気シリーズ『Rance』の最終作として位置づけられています。本作は、シリーズの集大成として、その壮大な物語と戦略的なゲームプレイで多くのファンを魅了しました。

あらすじ

本作の物語は全二部構成で、第1部では魔人ケイブリスの侵攻に立ち向かうランスの姿が描かれます。ヘルマン革命から1年後、ケイブリスが魔界での派閥闘争を制し、人界への大規模侵攻を開始。ランスは人界を統率する総統として、魔軍討滅の指揮を執ることになります。一方、第2部では、魔王となったランスの15年後が描かれ、ランスの息子であるエール・モフスが、兄姉たちと共に魔王ランスに挑むという展開が待ち受けています。

特筆すべきは、メインシナリオ以外にも細かなルート分岐が存在し、物語は人類軍と魔王だけでなく、裏で暗躍する勇者の視点でも描かれる点です。これにより、多角的な視点から物語を楽しむことができ、より深い没入感を得られます。

システム

本作は、ターン制のフリーシナリオRPGです。ゲームは「準備」「作戦」「拠点」の各フェイズに分かれており、プレイヤーは魔軍に侵攻されている国々で発生する様々なクエストを攻略していきます。「戦況」フェイズでは、各国の人類軍や敵である魔軍の被害状況、人類の死亡率などが報告されます。プレイヤーの行動や選択が各国の戦況や人類の生存に大きな影響を与え、その後のシナリオ展開を大きく左右します。

戦闘パートは、部隊戦闘を擬似的に再現したもので、HPなどのステータスやAPを、プレイヤーが選んだ魔人討伐隊のリーダーと共有します。魔人討伐隊は「主人公」「リーザス」「ヘルマン」「ゼス」「自由都市」「JAPAN」「その他」「亜人」「モンスター」「神魔」の各所属に分類され、仲間になるキャラクターは関係の深い所属に配置されます。仲間になったキャラクターから部隊のリーダーを選ぶことができ、リーダーに選ばれなかったキャラクターのステータスは、リーダー(所属部隊)のステータスに加算されます。

登場人物

本作では、シリーズ各作品に登場したキャラクターが総出演します。プレイアブルのメインキャラクターだけでも200人を超えるため、過去作のファンにとってはたまらない内容となっています。さらに、『リトル・プリンセス』や『かえるにょ・ぱにょ〜ん』、『イブニクル』、『闘神都市』など、アリスソフトの他作品のキャラクターも登場し、ゲームを盛り上げます。

開発

監督のTADAは、『戦国ランス』の時点から本作の大まかな構想や結末を考えていたと言います。システムについては、過去作のアレンジを加える形に落ち着きました。当初、第一部と第二部を別チームで開発する予定でしたが、最終的に一つのチームで開発することになりました。

TADAは、開発中に自身の体力の限界を感じていたことや、アダルトゲーム業界のダウンロード販売への移行が進んでいると感じていたため、パッケージソフトを販売してくれる店舗が減る前に完成させたかったと語っています。

反響

売り上げ

本作は、PCゲーム業界誌GAME HEADLINEの年間データで2018年販売本数1位を記録しました。また、ダウンロード版においてもFanza(旧DMM.R18)年間総合ランキングで1位を獲得するなど、非常に高い売上を記録しました。

人気投票および受賞歴

Getchu.comが主催する「美少女ゲーム大賞2018」では、複数の部門で10位以内に選ばれ、特にキャラクター部門では主人公のランスが4位にランクインしました。萌えゲーアワード2018では、準大賞とDMM GAMES賞を受賞し、審査員からも高い評価を受けました。審査員の一人であるBugBug編集長の大澤忠基は、本作のシナリオの完成度を特に評価しています。

批評

IGNに寄稿しているフリーライター福山幸司は、2018年のトップ10ゲームの1位として本作を挙げ、「単一の主人公を描き続け、長い時間を経て完結するのは世界ゲーム史上でも類を見ない達成だろう」と絶賛しました。また、本作における人類側の総人口や死亡数の表示機能について『ゲーム・オブ・スローンズ』に通じる残虐性があると評価しつつ、物語の転換点やコミュニティの描写、さらにはピカレスクというジャンルにおいては『レッド・デッド・リデンプション2』との間に多くの類似点があると指摘しました。

コミカライズ

本作は、『BugBug』2018年8月号から2019年5月号までコミカライズされました。作画はやがみだいが担当しています。

脚注

外部リンク

Rance X -決戦-

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