RapidIO

RapidIO（ラピッドアイオー）とは

RapidIOは、コンピュータの内部バスにおける高速化を目的としたスイッチング規格です。従来のパラレル通信に代わり、プロセッサやバス間をRapidIOで接続することで、データ転送速度を大幅に向上させることができます。これにより、マルチプロセッサシステムや分散処理環境における性能向上が期待され、通信機器、基地局、防衛機器などの高性能装置で利用が広がっています。

RapidIOの特長

高速データ転送: パラレル通信に比べて高速なデータ転送を実現し、システム全体のパフォーマンスを向上させます。
スイッチング規格: 複数のデバイス間を効率的に接続し、複雑なシステム構成を可能にします。
マルチプロセッサ対応: マルチプロセッサ環境でのデータ転送を高速化し、システム全体の処理能力を向上させます。
分散処理: 分散環境でのデータ転送を効率化し、大規模システムでの性能を向上させます。

RapidIOの背景

RapidIO規格は、フリースケール・セミコンダクタ、Tundra Semiconductor、テキサス・インスツルメンツ（TI）、エリクソンなどの主要企業が中心となって策定されました。特にTIが同社のDSPにRapidIOインターフェースを搭載したことが、通信市場でのRapidIOの採用を加速させる大きな要因となりました。これらの企業が中心となり、RapidIO規格の策定と普及が進められてきました。RapidIOの規格は、RapidIO Trade Association (RTA)の公式サイトで確認できます。

RapidIO Trade Association (RTA): RapidIO規格の策定と普及を推進する業界団体。

RapidIOの相互テスト

RapidIOの相互運用性を確保するために、Tundra Semiconductor社が主体となって"RIOLAB"を設立しました。RIOLABでは、RapidIO製品のプロトタイプ開発を支援し、相互テストを実施しています。プロトタイプ用のハードウェアとして、Silicon Turnkey Express(STx)がTundraのRapidIOスイッチングチップ搭載ボードやPOWERQUICCIII(AMC8548)などを開発しています。また、相互認証テストツールとしてRapidFETが利用されています。これにより、異なるベンダーのRapidIO製品間でも、相互に正常に通信できることを確認することができます。

RIOLAB: RapidIO製品の相互テストを行うための機関。
RapidFET: RapidIO製品の相互認証テストを行うためのツール。

RapidIOの応用分野

RapidIOは、その高速性と信頼性から、以下のような分野で利用されています。

通信機器: ルーター、スイッチ、基地局などの高速データ転送が求められる通信機器。
基地局: 携帯電話基地局などのリアルタイム処理が重要なシステム。
防衛機器: レーダー、ソナーなどの高速データ処理が必要な防衛機器。
産業用制御: ロボット制御や自動化システムなど、リアルタイム性が求められる産業用制御システム。
ハイパフォーマンスコンピューティング: 大規模な計算処理を行うスーパーコンピュータなど。

関連規格

RapidIOと関連する規格には、以下のものがあります。

InfiniBand: 高速インターコネクト技術の一つで、主にデータセンターで使用される。
PCI Express: コンピュータ内部の周辺機器を接続するための高速シリアルバス規格。

まとめ

RapidIOは、コンピュータの内部バスにおける高速化を実現する強力なスイッチング規格です。マルチプロセッサや分散処理環境において優れた性能を発揮し、通信機器、基地局、防衛機器などの高性能装置で幅広く採用されています。今後の情報通信技術の発展とともに、RapidIOの重要性はますます高まっていくと考えられます。

外部リンク

RapidIO Trade Association (RTA)(英語)
RapidFET for test-tools(英語)
RapidIO test-board

RapidIOｮ is a registered trademark of the RapidIO Trade Association(英語)*

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