Re-sync GHOST

accessによるリミックスアルバム『Re-sync GHOST』は、2003年4月9日にアンティノスレコードよりリリースされました。この作品は、前年に発表されたaccessの5枚目のオリジナルアルバム『Rippin' GHOST』に収録された楽曲を、新たなアレンジとサウンドプロダクションによって再構築したものです。

本作がリリースされた2003年は、音楽業界においてソニー・ミュージックエンタテインメントが推進するコピーコントロールCD、レーベルゲートCD2（CCCD）の導入が本格的に始まった時期と重なります。当時のCDの仕様変更に対するリスナーからの反応は様々であり、その動向が注視されていました。

こうした背景の中、『Re-sync GHOST』は当初計画されていた形態とは異なる形で世に出ることとなります。元々はリミックスシングルとしての発売が予定されていましたが、シングル盤へのCCCD導入がアルバム盤よりも先行していたため、CCCD仕様を避けるという意図から、急遽アルバムとしてリリースされることになったのです。この形態変更に伴い、収録曲も当初のシングル構成から見直され、アルバムとしてのボリュームと内容になるよう差し替えや追加が行われました。

この計画変更を示す具体的なエピソードとして、accessの14枚目のシングル「REAL AT NIGHT 〜眠れぬ夜の向こうに〜」のカップリング曲として収録される予定だった同曲のリミックスバージョンが、結果として本作『Re-sync GHOST』に収録されたことが挙げられます。これは、リリースの形態変更が楽曲の収録場所にも影響を及ぼした一例と言えるでしょう。

リミックスアルバムである本作は、『Rippin' GHOST』の世界観を踏襲しつつも、アレンジャーやサウンドクリエイターによる異なるアプローチによって、原曲とは一味違う聴き応えを提供しています。accessの楽曲の持つメロディやリズムの可能性を様々な角度から探求した作品と言えます。

商業的な側面では、本作の累計売上は0.7万枚を記録しました。これは、オリジナルアルバムと比較すると小規模なセールスではありますが、当時の音楽市場の動向や、リミックスアルバムという作品の性質を考慮する必要があるでしょう。

『Re-sync GHOST』は、単なるリミックス集としてだけでなく、2000年代初頭の日本の音楽業界におけるCCCD導入という技術的・商業的な変化の中で、アーティストやレーベルがどのように対応したのかを示す興味深い事例としても位置づけられます。CCCDが広範に普及する前に、その影響を避けるために発売形態が変更されたという事実は、当時の音楽制作・流通環境の一端を物語っています。

このアルバムは、ファンにとっては『Rippin' GHOST』の世界をさらに深く楽しむための作品であり、またaccessのキャリアにおける特定の時期の記録としても価値を持っています。特殊な背景を経てリリースされた一枚として、accessのディスコグラフィーにおいてユニークな存在感を放っています。

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